ウクライナ・ハンガリー外相会談 冷静な議論継続を強調
両外相が会談後に共同記者会見を行なった。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
クレーバ外相は、「二国間系発展にとって一つ決定的な障害がある。それは、感情と疑念だ。私は、今日、ペテル(シーヤールトー外相)と別途、その点について話をした。私たちは、ウクライナ・ハンガリー関係へは、熱い心と冷静な頭を持ってアプローチすべきだという点に同意した」と発言した。
クレーバ外相は、ウクライナのハンガリー系コミュニティに対する侮辱を断固として非難しているとしつつ、同時に、ハンガリーの個別勢力からの反ウクライナ的発言もまた受け入れられないと強調した。
その上で外相は、「ウクライナのハンガリー人が分離主義に傾いているなどとみなす根拠は一切ない。ウクライナ国家がウクライナのハンガリー人に何らかの障害を作っているとみなす根拠もない。私たちは、一つの国、一つの社会であり、今後もずっとそうであり続けるのだ」と指摘した。
また、シーヤールトー・ハンガリー外相は、「私たちは、(ウクライナ西部)ザカルパッチャ地方のハンガリー人を、あなた方(ウクライナ)と統合するための可能性として見ている。私たちは、ザカルパッチャのハンガリー人コミュニティを支持しながら、ウクライナとハンガリーの関係を支持し、支援しているのである」と発言した。
シーヤールトー外相は、今日のクレーバ外相との会談が結果を生むこと、そして「二国間関係の悪化を止め、プロセスを正しい方向へ戻すことができること」を期待していると発言した。
同外相はまた、「私たちは常にあなた方の統合と主権を支持してきたのであり、分離主義と関連する非難は、全く意味を持たない」と強調した。
その他、シーヤールトー外相は、ウクライナに対して、50台の人工呼吸器を供与したと発表した。同外相は、ハンガリーは、引き続きウクライナへ人道支援を提供していくと発言した。
また、同外相は、これまでにウクライナ東部からの児童2300名をハンガリーへと休暇のために受け入れたと述べ、「感染状況が許せば、今年の夏にもこのプログラムを再開する」と発言した。
これに先立ち、昨年10月25日、シーヤールトー・ハンガリー外相がウクライナの地方選挙当日に、ザカルパッチャ州のハンガリー系政党を支持する扇動メッセージを公開したことを受け、ウクライナ政府がハンガリー政権高官2名のウクライナへの入国を禁止したと発表し、ウクライナとハンガリーの関係が緊張していた。
シーヤールトー・ハンガリー外相は、本件に際し、ウクライナは自らの欧州大西洋統合におけるハンガリーの支持を拒否したことになる、と発言。クレーバ外相は、「誰もハンガリーと政治的に闘おうとは思っていない。しかし、ハンガリーもまた、私たちの国内法と国益を尊重しなければならない」と述べていた。