欧州議会、ナワリヌイ氏逮捕を受け露天然ガスパイプライン建設停止を要求
ウクルインフォルム
欧州連合(EU)欧州議会は21日、ロシアの野党政治家アレクセイ・ナワリヌイ氏が逮捕されたことを受けて、EUとその加盟国に対して、対ロシア戦略を見直すとともに、ロシア・ドイツ間新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の建設を速やかに停止するよう要請する決議を採択した。
決議採択に賛成した議員は、581名。反対は50名、保留は44名であった。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
決議には、「欧州議会は、(中略)EUとその加盟国に対して、(ロシアの)市民社会サポートに力を入れ、民主的価値、法の支配、基本的自由、人権の推進を促すEU・ロシア関係の新しい戦略を作成することを要請する。欧州議会は、EUとその加盟国に対して、様々な外政プラットフォームや『ノルド・ストリーム2』のようなプロジェクトに関して、ロシアとの協力を決定的に見直すことを要請する。ノルド・ストリーム2の完成をEUは速やかに止めねばならない」と書かれている。
同決議は、議会内勢力のうち、欧州人民党、社会民主進歩、欧州刷新、緑・欧州自由連盟、保守改革が賛成した。
賛成議員たちは、ロシア政権の行為を激しく糾弾するとともに、ナワリヌイ氏や同時に拘束された同氏関係者や記者などを解放するよう要請した。
加えて決議では、ナワリヌイ氏への毒殺未遂も非難されており、ロシアにて野党勢力と市民社会の活動空間が縮小していることへの深い懸念が示されている。
なお、ロシアとドイツを結ぶことを予定しているノルド・ストリーム2は、全長1200メートルで、すでに94%が建設されている。完成すると年間550億立方メートルのガスを送ることが可能となると説明されている。ウクライナを迂回すること、欧州の対露エネルギー依存を高めることから、ウクライナ、米国、ポーランド、バルト諸国が同パイプラインの建設に反対を表明している。
写真:DPA