ウクライナは、EUのクリミア専門代表ポスト設置を支持=クレーバ外相
ドミトロー・クレーバ外相がトルコのアナドル通信へのインタビュー時に発言した。
クレーバ外相は、「私たちは、クリミア問題のEU特別代表ポストの設置を望んでいる。なぜなら、(クリミア)危機は欧州の周縁部ではなく、欧州の内部で起こっていることであり、特別な注意を要するからだ」と発言した。
同氏はまた、クリミアの状況は現在懸念を呼び起こしているとし、マイノリティへの体系的圧力を理由に挙げた。同氏は、ロシアは、クリミアをロシア化しており、クリミア・タタール人の集会を禁止し、クリミア住民をロシア軍へ強制的に従軍させているが、それは国際法への違反であると指摘した。
その上で同氏は、「私たちの課題は、ロシアを止め、ロシアをクリミアから立ち去らせることにある。ロシアの政権幹部が『クリミア問題は解決済み』という際の声の大きさは重要ではない。なぜなら、それは事実に反するからだ。最後にはロシアがクリミアを去ることになること、クリミア・タタール人が故郷へ戻れるようになることを、私は確信している」と発言した。
またクレーバ外相は、米国次期政権について、「私たちは、バイデン氏がロシアの対ウクライナ侵略に断固として対応することを確信している。また私たちは、バイデン政権と、解決を志向した包括的対話を行う」と発言した。
加えて同氏は、「ところで、バイデン氏は『ウクライナ』ファイルを学ぶ必要のない史上初めての大統領となる。なぜなら、彼は、すでにその内容をよく知っているからだ」とも指摘した。
なお、クレーバ外相は、2日、北大西洋条約機構(NATO)の最高意思決定機関「北大西洋理事会」(NAC)の外相級会合へ出席すべくトルコを訪問する。同会合の主要議題は、黒海地域の安全強化となっており、クレーバ外相は、黒海地域にとってのロシアのクリミア占領がもたらす安全保障上の脅威、クリミアにおける人権侵害と国際人道法違反について報告し、クリミア脱占領を目的としたイニシアティブ「クリミア・プラットフォーム」を紹介する予定である。