ウクライナ、クリミアでの違法建築関与の著名オーストリア建築家へ制裁を検討
ウクルインフォルム
ウクライナは、オーストリアの建築事務所「コープ・ヒンメルブラウ(Coop Himmelblau)」とヴォルフ・プリックス代表がウクライナ南部被占領下クリミア半島セヴァストーポリ市におけるオペラ劇場の建設プロジェクトに参加していることから、制裁の発動を検討している。
11月30日、オレクサンドル・シチェルバ駐オーストリア・ウクライナ大使がフェイスブック・アカウントに書き込んだ。
シチェルバ大使は、「クリミアにおけるプーチンの旗艦プロジェクトである被占領下セヴァストーポリにおけるオペラ劇場建設に、建築事務所コープ・ヒンメルブラウが参加しているとの噂がしばらくの間流れている。私は、10月初めにヴォルフ・プリックス事務所代表に電話をし、併合の間接的だが確実な合法化へ参加することで自らの評判を破壊するようなことはやめるよう説得を試みている」と書き込んだ。
大使は、しかし、残念ながらコープ・ヒンメルブラウ事務所は、その説得に耳を傾けなかったと指摘した。
その上で大使は、「現時点では、噂はロシアの報道にて活発に認められており、私に残されているのは、プリックス氏に遺憾を伝えつつ、ウクライナが彼と彼の事務所に制裁を発動することを真剣に検討していることを伝えることしかなくなっている。私たちの世界のパートナーたちには、かつて尊敬を集めた建築事務所が、現在プーチンとの疑惑の契約を結んでいることを伝えることになる」と説明した。
これに先立ち、ウィーンにあるコープ・ヒンメルブラウ建築事務所のヴォルフ・プリックス代表は、オーストリアのAPA通信社に対して、同事務所がロシアの二つのプロジェクトに参加していることを認め、その一つが被占領下にあるウクライナ領セヴァストーポリ市であることが判明していた。
本件は、プーチン露大統領が2018年に発表した4つの文化教育施設建築の一つにあたるもので、カリーニングラード、ウラジオストク、ケメロヴォと被占領下セヴァストーポリに建設されると発表されていた。