ハンガリー外相、ウクライナ地方選挙投票日にハンガリー系政党を応援 宇外務省抗議
ニュースサイト「欧州プラウダ」がシーヤールトー外相のフェイスブック上の呼びかけメッセージを報じた。
シーヤールトー外相は、「唯一のハンガリー政党『ザカルパッチャ・ハンガリー文化社会』がザカルパッチャ州議会に出馬している。ハンガリー人が州レベルで代表性を失ってしまうのは良くない」と書き込んだ。
同外相はまた、ベレホヴェ市長選にて現職のゾルタン・バビャク候補を支持するよう呼びかけた。外相は、「ゾルタン・バビャク市長は、素晴らしい仕事をした。彼が仕事を続けられれば良いだろう」と書き込んだ。
その他外相は、ハンガリー国内に暮らすザカルパッチャ州出身者は、投票のために国境を越えることが可能であり、その際14日間の自主隔離期間は設定されないと指摘した。
本件につき、ウクライナ外務省は同日、公式サイト上に抗議声明を掲載した。
声明には、「ウクライナ地方選挙投票日にハンガリー側が、ザカルパッチャ・ハンガリー人政党『ザカルパッチャ・ハンガリー文化社会』支持への直接的扇動を行った。公式ハンガリー政府がそのような手段で大胆に自らのウクライナ国内情勢への直接的関与を認め、ウクライナ・ハンガリー関係に存在する問題解決へ向けたウクライナによる一貫した努力へと卑怯な攻撃をしたことにつき、ウクライナ外務省は困惑している」と書かれている。
外務省は、ウクライナ政権はハンガリー政権に対して、法の支配と善隣関係の原則を軽視することを止め、ウクライナ法に敬意を持って接するよう繰り返し呼びかけてきたが、それらは無視されてきたと指摘した。
その上で外務省は、「ハンガリー系出自のウクライナ国民は、ウクライナ社会の重要かつ不可分の構成員であり、彼らは全ての不可欠な権利と自らの代表を地方自治体に自由に選出する機会を有している。ブダペスト側から有権者に対して受け入れられない吹き込みを行うことは、ウクライナ国内法違反であり、ウクライナ側には、そのような行為に対して、定められた国際的慣習と国内法に従って厳格に対応する以外の選択肢が残されていない」と強調した。
加えて外務省は、ハンガリー側の感情の高ぶりと、ウクライナ国民に対するウクライナ憲法・国内法軽視への扇動は、失敗に終わる運命にあると指摘している。