ロシアは欧州民主主義の拡大に地政学的脅威を見ている=欧州理事会議長

ロシアは欧州民主主義の拡大に地政学的脅威を見ている=欧州理事会議長

ウクルインフォルム
欧州の自然な民主主義の拡大に、ロシアは自国にとっての地政学的脅威を見ている。それが、同国のウクライナにおける行動の原因となっている。

28日、シャルル・ミシェル欧州理事会議長がブルッセルにあるシンクタンク「ブリューゲル」における演説「欧州の戦略的自治」の際に発言した

ミシェル氏は、「東方にて、ロシアは、ウクライナにおける欧州的民主主義空間の自然かつ痛みのない拡大を乱暴に止めた。ロシアはそこに主要な地政学的脅威を見たのだ。それによりウクライナは領土の一部を失い、東部では戦争が生じ、その戦争が国を恒常的に不安定化している。文脈は異なるが、ベラルーシにおける出来事も、欧州の東方の境界線上に挑戦が存在することを強調している」と指摘した。

同氏は、グローバル化した世界は冷戦終了後から大きく変化し、欧州連合(EU)は現在不安定の孤と衝突していると指摘した。そして、地中海には、リビア、シリアの出来事により緊張が生じ、欧州連合(EU)とトルコの関係にも緊張があり、ギリシャとキプロスの主権にも圧力がかかっていると述べた。その上で、ミシェル氏は、今週のEU特別首脳会談がこの地域の状況を審議しなければならないと発言した。

同氏は、EU周辺の状況を分析しつつ、欧州の境界線の南側のアフリカでは、諸国が挑戦をもたらすと同時に、新しい可能性を生み出していると指摘した。同時に同氏は、西側では英国とブレクジットが欧州機構全体の強靭さに挑戦していると述べた。

更に同氏は、EUと米国の強固な連合は共通の歴史と価値にもとづいていると強調し、他方で、米国が欧州の利益に反する地政学的決定を複数採択したとも指摘した。ミシェル氏は、具体的に、気候変動に関するパリ協定やイランとの核合意からの離脱、保護主義的方策を挙げ、「これら全てが些細なことではない。私たちは、米国にとっての強力かつコミットした同盟者であり続けたい。私たちは、その願望が相互のものであることを期待している」と強調した。

またミシェル氏は、EUが中国との関係発展にも多くの注意を払っていると述べ、中国は気候変動やCOVID-19との闘いをはじめ、グローバルなプロセスの重要な参加者であると指摘した。同氏は、EUは中国との経済的連携の幅を広げたいと思っているが、同時に、同国の人権の問題に目をつむってはないけないとも発言した。

ミシェル氏は、「欧州の戦略的自治は、3つの目的の達成を目指さなければならない。1つ目は、安定、2つ目は私たちの基準の拡散、3つ目は私たちの価値の推進だ」と指摘した。


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