「選挙実施がベラルーシ情勢の最善の出口」=ゼレンシキー大統領
ゼレンシキー大統領がスロバキアの経済紙Hospodárske novinyへのインタビュー時に発言した。大統領府広報室が伝えた。
ゼレンシキー大統領は、「公正な大統領選挙、それが現在の危機からの最善の出口だ。候補者が自らの勝利を確信しているなら、もう一度選挙を行うことを恐れる必要はない。自らの民を恐れない政権は、そのように行動する。私はまた、社会との対話が行われねばならず。暴力を行ってはならないことを強調する。民の世話をする政権は、そのように行動する」と発言した。
大統領は、ベラルーシの危機は近隣諸国のみに影響を与えているのではなく、欧州に影響を及ぼしていると指摘した。
大統領は、「私たちは、ベラルーシ独立以降、最大の政治危機が起きたのを見ている。その危機は、それまでに増長し、悪影響をもたらしていた経済危機と社会危機に関連している。もしシナリオが否定的なものとなるなら、少なくとも数十万の難民がベラルーシから欧州各国に向かうことを意味する」と強調した。
なお、ベラルーシの政権寄り報道機関は、23日にアレクサンドル・ルカシェンコ氏が大統領に就任したと報じている。
ベラルーシでは、8月9日に大統領選挙が実施され、その後、中央選挙管理委員会が14日に、最終開票結果として、現役大統領のアレクサンドル・ルカシェンコ候補の得票80.1%であり、有力視されていたスヴェトラナ・チハノフスカヤ候補の得票は10.1%だったと発表した。
これに対して、ベラルーシ市民が全国にて、中央選管の発表に疑問を提示して抗議を続けている。抗議者たちは、選挙結果は捏造されており、実際にはチハノフスカヤ候補がルカシェンコ候補に大差で勝利したと考えている。この抗議運動により、抗議者と治安機関の間で衝突が起き、多くの拘束者や死傷者が出ている。
チハノフスカヤ氏は25日、欧州議会外務委員会臨時会合におけるスピーチの際に「ベラルーシ人の要求は、公正で自由な選挙」だと説明している。