「シュミーの共同調査」を要求したのはコザーク露大統領府副長官=クラウチュークTCG宇代表

「シュミーの共同調査」を要求したのはコザーク露大統領府副長官=クラウチュークTCG宇代表

ウクルインフォルム
9月9日のウクライナ、ロシア、欧州安全保障協力機構(OSCE)からなる三者コンタクト・グループ(TCG)ビデオ会合にて、ドネツィク州シュミー近くのウクライナ側配置地点の共同調査の実施を要求したのは、ロシア大統領府のドミトリー・コザーク副長官である。

11日、TCGのウクライナ代表を務めるレオニード・クラウチューク元ウクライナ大統領がウクライナ局の政治トーク番組出演時に発言した。

クラウチューク氏は、「9月9日、それら出来事(編集注:武装集団の首長プシーリンがシュミー近くの統一部隊配置地点を攻撃して破壊すると発言していたこと)への対応として、TCGビデオ会合が開催された。そのビデオ会合には、ウラジーミル・プーチンの顧問であるコザーク氏(編集注:ロシア大統領府副長官)が初めて参加した。私は、コザーク氏がどうして突然参加したのか、と驚いた。彼は非常にエネルギッシュに、最後通牒のトーンで『ウクライナはミンスク諸合意を履行するのかしないのか最終的に決めねばならない』と発言した。そのスピーチは、シュミー村近くに、あたかもウクライナ軍が技術的作業をしている塹壕があるというのが理由だった」と発言した。

クラウチューク氏は続けて、ウクライナはOSCEに、作業は一切行われておらず、塹壕は7月22日の停戦合意達成以前に掘られたのだということ記録した動画資料を提出したが、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域代表者はシュミー近郊に監視活動をさせろと要求したのだと述べた。

同氏は、その際、ウクライナ側はOSCE代表者が同行することを絶対条件に、監視を実施することに同意したとし、同時にTCG・OSCE特別代表であるハイディ・グラウ氏もその監視に一度だけ参加することに同意したと説明した。

クラウチューク氏の実施の詳細につき、「9月10日14時に共同調査が行われることになっていた。しかし、朝になって突然あちら側(編集注:ロシア武装集団側)が追加的条件を提示してきた。その際、あたかも更に3つ調査が必要で、新しい監視を実施しなければならない、何かしらのプロトコルを締結しなければならない、などという、(ビデオ会合時には)一切協議されていないことが要求されたのだ」と発言し、「ウクライナはそのような条件に同意せず、一旦保留した」と補足した。

同氏は、「しかし、その後、そのミッションとOSCE代表者が集まっていた地点(シュミー近郊)に対して標的を定めた攻撃が始まった。それは単なる脅しではなく、本当の行為、銃撃であった。私たちは、その人々を守るための行動を素早く行なった」と伝えた。

続けて同氏は、その銃撃後、ウクライナ側は新たな要求を履行することを拒否したとし、監視についての協議を再開するのは、TCG治安問題作業部会がビデオ会議を行い、誰がなぜシュミー近郊の配置地点を攻撃したのかにつき明らかにした後だと報告したと発言した。

更にクラウチューク氏は、ウクライナ側は、ミンスク諸合意と包括的停戦合意への真の違反が確認されている、ロシア占領軍側配置地点10か所以上について、情報を有していると指摘し、「私たちは、その動画記録を関係各所に提出し、対応を待っている。私たちは、それで見世物をやりたいわけではないし、平和に向けた前進を妨害するような前提条件を生み出したいわけでもない。何より、(独仏宇露4国)首脳補佐官会合開催の可能性を妨害したくない。私たちは、その後の(4国)首脳の会合開催を期待している。これが基本的な因果関係だ」と強調した。

続けてクラウチューク氏は、今回実現されなかった「シュミーの共同調査」につき、ウクライナ社会には、武装集団との対話は受け入れられず、その調査は武装集団に対するあまりに大きな妥協だとみなす人が多くいたと指摘しつつ、しかし、同氏は、武装集団との対話は以前からずっと続いているものであり、ドンバス戦争の間に署名された複数の文書には、ウクライナ、ロシア、OSCEの代表者の署名の他、ザハルチェンコ(編集注:元「DPR首長」、故人)やプロトニツィキー(編集注:元「LPR首長」)の署名が入っている、と喚起した(編集注:ミンスク諸合意には武装集団代表者の署名が入っているが、肩書きは何も書かれていない)。

その上でクラウチューク氏は、「私の立場は、手が血で染まっていない者とは話しても良い、というものだ。しかし、ウクライナに損害をもたらす文書に署名をしないことが重要だ。そのような公式を基本に据えると、対話なくして平和へ向かう問題は何も解決しないが、文書には署名しない、なぜなら文書は、これまでに署名されたもの(編集注:ミンスク議定書、ミンスク覚書、ミンスク両合意履行のための方策パッケージ)がそうであった、今もそうであるように、国家に損害をもたらす恐れがある、ということになる」と発言した。

これに先立ち、ウクライナ大統領府は、TCGが9日のビデオ会合にて、ドネツィク州のコンタクト・ライン沿いのシュミー町をOSCE代表者参加の上で、TCG関係者が「共同調査」をすることで合意したと発表していた。しかし、その後、大統領府は10日、ロシア側が合意に反する要求をしたため、同調査の実施は取り止めになったと発表した。


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