「プロパガンダ・メディアを信じないで」 ベラルーシ野党指導者、ロシア国民へ呼びかけ
チハノフスカヤ氏がテレグラム・チャンネルにロシア国民向けの動画メッセージを掲載した。
チハノフスカヤ氏は、「残念ながら、ロシアのプロパガンダはベラルーシで起きていることを最大限歪めようとしている。私は、あなた方(ロシア国民)に、その嘘の影響に屈せぬよう、そして、どうしてベラルーシの人々がルカシェンコ氏の退場を要求しているのか、その本当の理由を知るよう呼びかける」と述べた。
同氏は、ベラルーシの大統領選挙では、投票所での票の集計時に数千の違反行為が確認されていると発言した。
そして同氏は、「ルカシェンコは、信じがたいほどの規模の抗議者弾圧の残酷さのおかげでのみ、政権を維持している。正統性なき大統領が、武器を持たない国民を銃撃したり、手榴弾を投げたりする命令を下したのだ」と述べた。
その上でチハノフスカヤ氏は、現在起きていることはロシアに対する闘いでは決してないと強調し、ロシア国民に対してプロパガンダ・メディアや事実と反対のことを主張をする政治家を信じないよう呼びかけた。
同氏は、「ベラルーシ人は、自国の主権を維持した上で、全ての隣人と最大限の友好的関係を有す準備がある」と発言した。
同氏はまた、ベラルーシの抗議では、これまでに1万人以上が拘束され、7人が亡くなっていると伝えた。
そして、同氏は、ベラルーシの人々は3つのことを要求しているとし、それはルカシェンコ氏の辞任、全ての候補者の参加する新しい公正かつ透明な選挙の実施、全ての政治囚の解放とベラルーシの民に対して犯された罪の捜査だと伝えた。
なお、ベラルーシでは、8月9日に大統領選挙が実施され、その後、中央選挙管理委員会が14日に、最終開票結果として、現役大統領のアレクサンドル・ルカシェンコ候補の得票80.1%であり、有力視されていたスヴェトラナ・チハノフスカヤ候補の得票は10.1%だったと発表した。
これに対して、ベラルーシ市民が全国にて、中央選管の発表に疑問を提示して抗議を続けている。抗議者たちは、選挙結果は捏造されており、実際にはチハノフスカヤ候補がルカシェンコ候補に大差で勝利したと考えている。この抗議運動により、抗議者と治安機関の間で衝突が起き、多くの拘束者や死傷者が出ている。
写真:TUT.by