被占領下ドンバスで選挙をする条件はそろっていない=与党党首
8月31日、与党のオレクサンドル・コルニイェンコ人民奉仕者党党首が同党党大会後に記者団に対して発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
コルニイェンコ氏は、「(地方選挙開催の)決議と10月25日の地方選挙について言えば、現時点では、(編集注:ドンバス被占領地にて)選挙を実施するための治安面の前提条件は存在しない。私たちは、三者コンタクト・グループ(TCG)(ウクライナ代表団の)レオニード・クラウチューク代表と対話をしているし、レズニコウ氏(副首相)やコスチン(TCG政治問題作業部会ウクライナ代表)とも対話を調整している。皆TCGメンバーだ」と発言した。
同時に、記者が、地方選挙実施の最高会議決議に(編集注:ドンバス被占領地地方選挙実施に関連する)何らかの変更を加えるつもりか、と尋ねると、コルニイェンコ氏は「法案作成主体からの本件に関する提案は現時点ではない」と返答した。
これに先立ち、ロシアがTCG会合の際に、ウクライナ側に対して、ドンバス被占領地における地方選挙実施の要件を提示したことが報じられている。ロシア側はその際、ウクライナが本件を検討しない場合、被拘束者交換やノルマンディ4国首脳会談開催など、東部情勢解決プロセスをブロックすると脅したという。
これを受け、クラウチュークTCGウクライナ代表が最高会議に対し、地方選挙に関する決議変更に関する書簡を送付したことが判明。クラウチューク氏は書簡にて、採択済みの地方選挙開催に関する最高会議決議に従うと、被占領下ドンバスにて選挙が不可能であることをロシア側が納得していないと最高会議側に伝えたという。
これに対して、ドミトロー・ラズムコウ最高会議議長は、クラウチューク氏の呼びかけは最高会議の関連委員会に渡したと発言している。
一方、ドミトロー・クレーバ外相は、ドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地域における選挙実施の問題については、ウクライナ側が領土一体性や欧州・欧州大西洋的発展を破綻させるような妥協をすることは決してないと明言している。