【ブログ】ベラルーシの抗議 ウクライナの記者へのアドバイス

【ブログ】ベラルーシの抗議 ウクライナの記者へのアドバイス

ウクルインフォルム
2013~14年、キーウ(キエフ)の大規模抗議の際、私は、実際の状況について、なぜウクライナ人が通りに出たのか、ということを含め、祖国の人に伝えようと最大限報じた。

私は、ベラルーシ人たちの情勢理解を手助けし、ウクライナの中央の広場にはファシストもバンデラ主義者もいないことを説明した。多くの人を納得させられたと思っている。

そして今回、私は、ウクライナの記者や専門家皆に対して、呼びかけなければならない。もしあなたが現実の情報を有しておらず、ベラルーシで起きていることのプロセスも把握していないのであれば、黙っていた方が良い。チハノフスカヤ(編集注:大統領選候補)が引っ込んだことや、ベラルーシにとってはルカシェンコの方が良い大統領などといった考えは拡散しない方が良い。そんなことをすれば、あなた方は皆、数日前にあなたが批判したホルドン記者と同じになってしまう(編集注:大統領選挙投票日前に、ウクライナのドミトロー・ホルドン記者がルカシェンコ・ベラルーシ大統領による2時間強のインタビューを発表していた)。そうすることで、あなた方は、一般のウクライナ人の意識の中にベラルーシの出来事に関するステレオタイプを作り出してしまうのだ。

つまり、こうだ。

1:チハノフスカヤは、抗議の顔ではない。人々は、彼女のために通りに出たのではない。彼らは、自らの選択の権利のため、政権を変えるため、自由と尊厳のために通りに出たのだ。

2:チハノフスカヤが通りに出るように呼びかけたのではない! 彼女は選挙期間中、そのような呼びかけを一度もしていない。

3:彼女がベラルーシを出国したことを非難すべきではない。しかも、あなた方が選挙前に予想していたのとは違い、彼女はロシアへは向かわなかったのだ。あなた方がヤヌコーヴィチ時代を生き延びたのは確かだが、それでも、あなた方は、ベラルーシの特殊機関がどのように活動しているかを完全に理解することはできないだろう。あなた方は幸運だったのだ。なぜなら、ウクライナの特殊機関は、抗議が起きた時にだけ部分的に市民の排除を行ない始めたのだから。ベラルーシでは、特殊機関はずっと前から全てをコントロールしている。だから、彼女の出国は、恐らく彼女に対する圧力に関係している。彼女の動画メッセージを見て、理解を試みて欲しい。

4:チハノフスカヤは、手段に過ぎない。ベラルーシを今の政権システムから解放させるための手段だ。人々はその政権に対して立ち上がった。ベラルーシ人は、彼女をそのようにとらえている。

5:ウクライナで、クレムリンの暗躍について話が聞かれる場合は、次のことを理解しなければならない。

ロシアのみが、このような情勢発展に関心がある。ロシアにとっては、ベラルーシが、関係改善を始めていた欧州や米国から完全に引き離されることが重要だ。政権が抗議に対して力を行使した後は、この(編集注:欧米との関係改善の)動きは止まるであろう。仮に、政権が全てを維持することに関心を持っていたら、これほどまでにあからさまな捏造や、抗議の力による鎮圧などといった行動には走らなかったであろう。あり得たシナリオの一つは、圧力も迫害もなく、選挙の予備投票と決選投票を実施し、最後にルカシェンコの勝利を捏造する、というものだった。流血も対立もなく。しかし、政権は、それを望まず、人々をロシアの手中に投げ込んでしまった。その悪影響は、ウクライナも感じることになる。そのことは疑わないで欲しい!

6:そう、今ルカシェンコは、力で政権を維持することができている。しかし、彼にとって、それは今後どんどん難しくなるだろう。なぜなら、過去の選挙は、たとえベラルーシ国民が投票に行かなくても、国際社会と異なり、ベラルーシ社会はその結果を正当なものとして認めていたからだ。今回は、もう違う。しかし、後戻りの道はない。

私は、恐れることなく平和的抗議に向かった人たち全員について、祈っている。彼らは武器は持たないが、考えを持っている。ベラルーシ、万歳!(Жыве Беларусь!)

オレーナ・ルトヴィノヴァ/ラジオ・スヴォボーダ通信ベラルーシ語版記者(フェイスブック投稿記事より)

※ブログ筆者の考えは、ウクルインフォルム通信の立場と一致しない可能性があります。


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