「ウクライナは民主的で安定したベラルーシに関心あり」 ゼレンシキー大統領、政権と抗議者に対話呼びかけ
ゼレンシキー大統領がフェイスブック・アカウントに書き込んだ。
ゼレンシキー大統領は、「ウクライナ、そして私個人は、ベラルーシが真に独立し、民主的で、強力な経済と安定した社会関係を有す国となることに、極めて強い関心を持っている。ベラルーシは、私たちの最も近い隣人であり、そのため私たちは、そこで起きていること、私たちの友人に今後起こることに、決して無関心ではない」と書き込んだ。
大統領は、ベラルーシ人たちが現在困難な時期を迎えていると指摘しつつ、同国で発表された大統領選挙の暫定結果に皆が同意しているわけではないのは明らかだと述べ、選挙の正当性は社会の信頼があってはじめて生じるのだと主張した。
大統領は、「このような規模での疑念は、暴力、対立、社会の抗議へ直進する道であり、抗議は現在大きくなっている。私たちは、大変残念ながら、それを目撃している」と述べた。
この文脈で大統領は、ベラルーシ人に対して、最大限の寛容と忍耐、並びに暴力の拒絶を呼びかけた。
その上で大統領は、「最大限オープンな、そしてたとえ困難であろうとも、対話を呼びかける。なぜなら、広範な対話によってのみ、激しい危機的状況からのベラルーシ国民による脱出が確保でき、今後の行動を率直に議論でき、市民の連携を形成できるからだ。全てのサイドの間の相互理解によってのみ、国の独立が維持でき、自由と民主主義への更なる前進が確保できるのだ。そうでなければ、暴力の激化は増長するばかりであり、それは極めて厳しい悪影響をもたらすおそれがある」と指摘した。
大統領は、現在、ベラルーシ政府と抗議をする社会の双方がそのような対話に関心を持つべきだとの考えを示し、「ベラルーシは、自らの行為にて、文明的世界において一般的に認められた民主的基準を最大限維持しなければならない。自国の民の権利と自由を完全に保障するよう努力すべきだ。そうして初めて、危機からの脱出の希望が維持できるのだ」と強調した。
これに先立ち、8月9日、ベラルーシでは大統領選挙が実施された。同国中央選挙管理委員会は10日、開票の暫定結果にて、現役大統領のアレクサンドル・ルカシェンコ候補が優勢だと伝えている。
同国では9日から、選挙に不正があったとして複数都市で市民による抗議が起きている。人権保護センター「ヴャスナ」は、8月10日午前3時時点で、140名以上の抗議者が治安機関に拘束されたと伝えた。
ウクルインフォルムが確認したところ、現在ベラルーシの報道機関のウェブサイトは、国営のベルタ通信も野党系ニュースサイト「トゥト」も、アクセスができない状況が続いている。