米国、ロシアによるクリミア・ドンバスでの国民投票実施に懸念表明
ウクルインフォルム
米国欧州安全保障協力機構(OSCE)常駐代表部は、ロシアの国民投票がドネツィク・ルハンシク両州一部地域と被占領下クリミアにて実施されたことに懸念を表明した。
3日、ジェームス・ヒルマー駐OSCE米国常駐代表がOSCE常設理事会オンライン会合の際に発表した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ヒルマー常駐代表は、「私たちは、ロシア政権によるウクライナ領であるドネツィク、ルハンシク、クリミアにて『投票』実施の試みの知らせに深く懸念している。それは、ロシアによる隣国ウクライナの領土一体性と主権への明白な軽視を強めるものだ」と発言した。
ヒルマー氏は、米国はこの投票を注意深くフォローしていたとし、「ロシア政府が、有権者に強制したり、提案された改正内容への反対者に圧力をかけたり、独立した監視者による投票監視の機会を制限したりすることにより、投票結果を操作しようとしていたとの報に懸念」していると伝えた。
同氏は、これらの報は、過去のロシア連邦での投票を監視したOSCE民主制度・人権事務所(ODHIR)の報告書における評価と類似していると指摘した。
更に、ヒルマー氏は、今回の憲法改正にてプーチン露大統領が36年まで権力に残れることへの懸念も表明し、「自由な社会では、ルールは候補者のために作られるものだが、ロシアでは、候補者がルールを作っているように思える」と発言した。