ロシア国民投票におけるクリミア・ドンバス投票は違法=ウクライナ外務省
ウクルインフォルム
ロシア連邦にて7月1日に実施が予定されている憲法改正を問う国民投票につき、ウクライナ外務省は、被占領下ドンバス地方にて配布されたロシア国籍による同地住民の投票と被占領下クリミアでの投票は、国際法とウクライナの国家主権侵害の観点から、違法であると主張している。
19日、ウクライナ外務省がコメントを発出した。
コメントには、「ウクライナ外務省は、ロシア連邦占領政権による、被占領下ドンバス地方での違法配布されたロシア連邦国籍証明書による住民のロシア憲法改正国民投票投票を確保するとの意向を、ウクライナの国家主権と領土一体性への新たな侵害の試みと受け止めている」と書かれている。
外務省は、ロシアがドンバス地方被占領下地域の住民に対して大規模にロシア国籍を付与していることにつき、著しい内政干渉であるとともに、ウクライナ領ドンバス地方を徐々に侵略する試みの延長線上にある行為だと強調し、更に、ミンスク諸合意を破綻させることを目的とした意図的行為としてみなしているとも指摘した。
クリミアに関しては、外務省は、ウクライナ国内法と国際法の観点から、一時的被占領下にあるクリミアでは、国民投票を占領政権が実施することは、同地における選挙実施同様、違法であると指摘した。
コメントには、「違法にクリミア住民に強制的に付与したロシア国籍証明書によって、投票が行われることになる。一時的被占領下クリミアでのその違法投票の結果は、法的に無意味であり、一切の法的効力を有さず、ウクライナにも国際社会にも承認されることはない」と強調されている。
外務省は、ロシア連邦による違法行為に対しては、政治・外交的圧力と制裁圧力を強化することで対応すべきだと主張している。
なお、これまでにロシア連邦による違法な同国国籍付与により、ウクライナ国民約20万人がロシアの憲法改正を問う国民投票における投票権を得たと伝えられていた。