ゼレンシキー大統領、東方パートナーシップ・オンライン首脳会合参加 EU加盟実現に期待
ゼレンシキー大統領がEaP首脳会合での演説時に発言した。大統領府広報室が伝えた。
発表によれば、大統領は、「東方パートナーシップは、パートナーの国々の野心を制限すべきではない。ある国は政治対話だけで十分であろうし、ある国は欧州連合(EU)との戦略的パートナーシップで十分であろう。ある国は、『4つの自由』にもとづく共通市場への統合を希求しており、ウクライナのような国は、EUへの完全加盟を要求している」と発言した。
大統領は、EaPイニシアティブは発足当初から欧州的価値と原則を共有するパートナー国とEUとの間にコミュニティを作り上げることが目的であったと喚起するとともに、パートナー国の国民全てがEaPのメリットを利用できなければならないと強調した。
その他、大統領は、新型コロナウイルス感染の世界的拡大の被害をはじめ、EaP参加国はEUとの統合深化、協調拡大を通じて、今日ある問題を協力して克服することが可能だと指摘した。
大統領は、EUによる12億ユーロのマクロ財政支援プログラムをはじめとする対ウクライナ支援につき、重要で時宜を得たものだとし、謝意を伝えた。
また、大統領は、COVID-19のワクチンが完成した際には、EUと協力してワクチンを購入することへの期待を表明した。
同時に、大統領は、ウクライナが新型コロナウイルス危機の間、EU各国を支援してきたことも指摘し、とりわけ、ウクライナの医療従事者がイタリアもて活動したことや、ウクライナの航空機が医療関連品をEU諸国に輸送したことを喚起した。
安全保障に関しては、大統領は、「ウクライナは、地域の安定と安全の強化に貢献することができる国だ。EUのミッションや、軍事・安全保障プロジェクト、情報・ハイブリッド脅威、偽情報との闘いなどへの対策イニシアティブに参加することができる」と強調し、最近、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナに高次機会パートナー(EOP)地位をウクライナに付与したことがその証拠だと指摘した。
大統領は、各国の主権と領土一体性を基盤とする安定して安全な環境が、EaPの目的実現にとっての主要な前提条件であると主張した。
大統領は、EaPの目的は民主主義の強化、改革実行、法の支配、人の権利・自由の尊重だと喚起した。
同時に大統領は、ウクライナ領が占領されており、多くのウクライナ国民が被占領地にいることを喚起しつつ、その被占領地の面積、被占領地に暮らす国民の数は、いくつかのEU加盟国の面積や人口に匹敵するものだと指摘した。その上で、大統領は、「EaPが紛争解決のための手段でないことは知っている。同時に、私たちは、外部プレーヤーに引き続き地域の状況を不安定化させ、新たなホットスポットを作り出させることを許してはならない」と強調した。
大統領は、紛争が生じているのがEaPパートナー国の領土であることは、社会・経済、安全保障問題がEU加盟国に飛び火する可能性がないことは意味しないと発言した。
なお、6月18日、東方パートナーシップ(EaP)の首脳ビデオ会合が開催された。同会合には、EUの27加盟国の首脳とEaP参加国であるアゼルバイジャン、ベラルーシ、アルメニア、ジョージア、モルドバ、ウクライナの首脳が参加した。