【MH17撃墜事件】公判6日目、検察が地対空ミサイル分析につき報告

【MH17撃墜事件】公判6日目、検察が地対空ミサイル分析につき報告

ウクルインフォルム
10日、オランダのスキポール裁判コンプレクスにてマレーシア航空機MH17撃墜事件の公判6日目が行なわれた。検察側は、地対空ミサイルシステム「ブーク」の分析結果について報告した。

ウクルインフォルムのハーグ特派員が伝えた。

タイス・ベルハー検察官は、「検察は、軍事検察書籍、動画、概説書、公式発表、パンフレットをもとに同システムの動作を分析した。ロシアとウクライナの専門家から話を聞いた他、オランダとドイツの軍事専門家からも話を聞いた」と指摘した。

同検察官は、9M38と9M28-M1の2つのタイプのミサイルがあることを指摘し、MH17撃墜原因分析のために、専門家たちは撃墜に使用されたものと全く同様のミサイルを手に入れたと伝えた。

検察官は、「2つのタイプのミサイル、9M28-M1と 9М38のテストを行なった。これらは、ジョージアを含む、様々な国によって供給されている」と述べた。

その後、裁判では、通信傍受された会話の視聴が行なわれた。捜査チームは、この会話により、武装集団構成員の特定が行なっている。その中には、イーゴリ・ギルキン本件容疑者(ロシア連邦軍元将校、ロシア連邦保安庁(FSB)元大佐)がロシアに対して軍事サポートを要請する電話の通話記録も含まれていた。

なお、今回の公判は、6月8日に再開され、7月3日まで開催される予定。また、新型コロナウイルス感染流行により、裁判所に入れる人数は制限されている。

MH17の公判は、本年3月に始まった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大を受け、3月の公判は、9日、10日、23日の3日間開催されたのみであった。

マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。

2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイルシステム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させていた。

同時に、民間調査グループ「ベリングキャット」は、MH17を撃墜した「ブーク」がロシア軍第53対空旅団発のものであることを判明させていた。ベリングキャットは、ソーシャル・メディアとオープンソース情報の独自の分析を通じて、MH17撃墜に関与した20名のロシア軍人を特定させた報告書を発表した。これら軍人の名前が写真付きで示されているこの報告書は、オランダの検察に渡されている。

2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。

なお、2019年6月、マレーシア航空機MH17撃墜事件の捜査を行う国際共同捜査チーム(JIT)は、同撃墜に関与した容疑者4名を公表しており、オレグ・プラートフ氏(露国籍)はその内の1人。JITは、プラートフ氏につき、地対空ミサイル・システム「ブーク」の移送に関与し、航空機の撃墜した地域の警備を担当した容疑を発表していた。

スキポール裁判コンプレクスは、ハーグから約50キロ離れた場所に位置する。


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