ゼレンシキー大統領、欧州委員長と電話会談
大統領府広報室が伝えた。
発表によれば、ゼレンシキー大統領は、「私たちは、適宜施行した措置により、感染拡大の最悪のシナリオはまぬがれた。私たちは、欧州連合(EU)のパンデミック(世界的流行)対策を注意深く追っている。欧州委員会の発表したコロナウイルス被害克服のための1億9000万ユールの対ウクライナ支援につき感謝する」と発言した。
会談時、両者は医療分野の協力深化、欧州における貿易の流れを止めないための「緑の回廊」の確保、航空便の再開可能性、EU保健委員会へのウクライナのオブザーバー参加について話し合った。
また両者は、新型コロナウイルス危機が物の自由な動きを阻害したり、二者間貿易を制限したりすることがあってはならないとの点で同意した。
ゼレンシキー大統領はまた、フォンデアライエン欧州委員長に対して、総額12億ユーロの対ウクライナ・マクロ財政支援プログラムを開始する欧州委員会の決定について謝意を伝えた。大統領は、「私たちには、経済安定化と国家財政のためにEUからの二者間支援が不可欠である。私たちは、このマクロ財政支援プログラムの迅速な開始と実現のために、建設的な協力を行う準備がある」と発言した。
大統領はその他、近日中に銀行関連法に署名を行うと述べ、それにより国際通貨基金(IMF)の新しいプログラムへの道が開けると伝えた。また、両者は、向こう数週間で、5億ユーロ規模の既存の第4回マクロ財政支援における第2トランシュをウクライナに送金することで合意した。
両者は、ウクライナ東部の治安情勢についても注意を向けた。ゼレンシキー大統領は、欧州委員会に対して、ウクライナの主権・領土一体性に対する不変の支持につき謝意を伝えた。
フォンデアライエン欧州委員長は、ゼレンシキー大統領に対して、大統領就任から1年が経過したことを祝福し、改革実行の面での進展を指摘した。
両者は、危機の中でもウクライナとEUの政治対話が活発であることを指摘し、引き続きこれを継続することで合意した。
これに先立ち、20日、欧州連合(EU)理事会は、新型コロナウイルス被害克服を目的とした12億ユーロの対ウクライナ・マクロ財政支援の拠出を最終的に決定していた。