ポーランドの国家安全保障戦略の更新 ロシアを最大の脅威と明記
同戦略は、4つの基本分野(国家・国民安全保障、国際安全保障、国家遺産・アイデンティティ、社会経済発展・環境保護)における優先分野を定めるもの。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
「ポーランド国家安全保障戦略」(2020年版)の「安全保障環境」の項目には、「最も深刻な脅威は、ロシア連邦政権の軍事手段によっても追求されている新帝国主義的政策である。同国のジョージアに対する侵略、クリミアの違法併合、ウクライナ東部での行動は、国際法の基本原則を侵害し、欧州安全保障システムの支柱を弱体化させている」と書かれている。
また、同文書には、ロシアが西方戦略的方面をはじめとして、攻撃的軍事能力を集中的に発展させていると指摘されている他、ロシアが北大西洋条約機構(NATO)加盟国との紛争、大規模な軍部隊の迅速な投入、核兵器の使用までもを想定したシナリオにて訓練を実施していると書かれている。
その他、ロシアがハイブリッド要素のある様々な軍事行動を取っており、その行動により紛争勃発のリスクが生じていると指摘がある他、更にサイバー攻撃、偽情報拡散といった非軍事手段を用いた包括的行動もとっていると言及されている。
同文書には、「ロシア連邦が、自らの力と影響圏の再構築を目的として、法の支配にもとづく現存の国際秩序に対する弱体化政策を継続していくことを想定すべきである」と書かれている。
なお、ドゥダ大統領は同日、大統領府での同戦略署名式典の後、新しい国家安全保障戦略はあらゆる安全保障の側面と2014年12月から今日までの間に生じた出来事を考慮していると発言した。大統領は、同戦略が新型コロナウイルス感染拡大時の行動についても考慮されていると指摘した。
今回のポーランド国家安全保障戦略は、2014年以来の更新となる。
同戦略全文は、ポーランド国家安全保障局ウェブサイトに公開されている。