ゼレンシキー政権のドンバス問題への立場が対露制裁の維持を可能としている=元米国務省ウクライナ特別代表

ゼレンシキー政権のドンバス問題への立場が対露制裁の維持を可能としている=元米国務省ウクライナ特別代表

ウクルインフォルム
ウクライナ政権幹部が、ドンバス地方の平和達成に向けた具体的行動実現の意向を示すことにより、ロシアはウクライナを批判する根拠を失い、西側諸国に対して制裁緩和を要求することができなくなっている。

24日、カート・ヴォルカー元米国務省ウクライナ問題特別代表が、オンラインで開催されたキーウ(キエフ)安全保障フォーラム出演時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ヴォルカー氏は、「私は、ゼレンシキー大統領、アンドリー・イェルマーク(大統領府長官)とそのチームは、いくつかの非常に賢い、重要なことを行なったと思っている。それは、彼らがウクライナ東部の平和達成への願望を明確に表明し、そのために必要な全てのことを行う準備をした点である。それにより、ロシアはウクライナに対してミンスク(諸合意)履行を破綻させたなどと批判することができなくなっている。私たちは皆、実際にはロシアがミンスク諸合意を破綻させているのを知っている。つまり、私は、戦術面でそれ(平和希求)は非常に賢いと思っている。ただし、周知の通り、ウクライナ東部の平和達成・不達成は、ロシアの行動にかかっている」と発言した。

ヴォルカー氏はまた、米国による対露制裁政策の変更はないとの確信を示した。

同氏は、「私は、米国の制裁の一切の解除は、想定も予想もしていない。たとえトランプ大統領がそれを望んだとしても、米議会や政界の雰囲気がそれに強く反対している中、それはブロックされるであろう。そのような試みが行われるとも思わない。他方で、私は、新しい制裁の発動も想定していない。今は、コロナウイルスが私たちの議題を占める状況にあると思っている。人々は、私たちの経済、世界経済の下降で不安がっており、そのため新しい制裁の発動という考えは著しく弱くなっている」と指摘した。

また、ヴォルカー氏は、アメリカの現政権は、米露関係において、今年中、選挙前か選挙後に、核管理の分野での一定の成功を達成することを望んでいると指摘した。

同氏は、「自らの米国大統領としてのレガシー(遺産)の観点から、トランプ大統領は、米国とロシアの間にて、核分野の成功を欲している。彼は、最近マーシャル・ビリングズリー(Marshall Billingslea)を、新しい戦略兵器合意の交渉担当者に任命した。ロシアとの核合意が可能かどうかを明らかにするためだ。私の考えでは、ロシアも合意を望んでいる。そのため、ウクライナやイランやシリアとの状況とは別に、また、私たちの外交上の問題とも別に、その分野では、二国共同の利益があり得るのだ。そして、トランプ大統領は、潜在的にそれを自らの勝利として示すことはあり得る。選挙前、あるいは、選挙後に」と発言した。

加えて、ヴォルカー氏は、現在米国と中欧・東欧のハイレベルの連携は、オバマ政権時の時同様に「いくらか弱体化している」と指摘しつつ、他方で、軍のレベル、外交のレベル、北大西洋条約機構(NATO)内での協力は、トランプ大統領政権下で米国はよりこれらの地域でのプレゼンスを活発化させているとも述べた。

ヴォルカー氏は、「私たちは、NATOの前線基地展開に加わり、ポーランドでのプレゼンスを拡大し、ジョージアやウクライナでも行なっているように、軍事演習を深化させている。私たちは、ウクライナやその他の地域の国々に対して、支援・売却の増加を期待している。そのため、私は、ホワイトハウスがロシアとの成功に向けた一定の協議の可能性を残していることとは無関係に、米国とこれら地域との連携は実際にはトランプ政権下で強化されていると考えている」と発言した。

また、ヴォルカー氏は、現在不在の駐ウクライナ米国大使につき、アメリカ政権は速やかに同職を任命しなければならないと強調した。

同氏は、「ウクライナに米大使が不可欠である点に同意する。私なら、それに加えて、(編集注:ヴォルカー氏が2017〜19年に担っていた)特別代表職も任命するよう政権にアドバイスするであろう。なぜなら、国際社会、フランス、ドイツ、NATO、EU、カナダなどと仕事をする人物が必要だからだ」と説明した。

更にヴォルカー氏は、米国がウクライナをより積極的にサポートすること、フランスやドイツとともにノルマンディ・フォーマットの作業に積極的に関わるとの案は、「極めて有益だ」と指摘した。同氏は、米国は、ロシアの侵略、侵略への抵抗の必要性についてよりはっきりと意思表示をすべきだとの考えを示した。


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