クレーバ外相、ロシアに停戦を要求する声明発出
6日、外務省がドミトロー・クレーバ外相の声明を公開した。
声明には、ロシアに対して、国連事務総長の呼びかけ、EUの立場を聞き入れ、ドンバス地方の速やかな停戦を実現し、被占領下ウクライナ領への欧州安全保障協力機構(OSCE)ウクライナ特別監視団(SMM)や国際人道機関のアクセスを認めるよう要求されている。
外相は、ウクライナは国連事務総長の和平イニシアティブに対して肯定的に返答したと伝えた。
更に、EUが本件につき立場を発表したことへの歓迎が表明されており、ウクライナは欧州のパートナー国と、新型コロナウイルス感染世界的拡大(パンデミック)との闘いに向けた協力と、紛争地域の住民への支援を支持していると伝えられている。外相は、「速やかな攻撃停止、世界的な停戦確立、平和的紛争解決のための努力の結集という要求を共有する」と述べている。
また、制裁が紛争地域の住民への人道支援、医療サービス供与の障害ではないことが喚起されている。
外相は、「ロシア連邦の長引く武力侵略の対象であるウクライナは、ドンバスの停戦に関するミンスク諸合意に従った自らの義務に完全にコミットしている」と伝えた。
同時に、外相は、ノルマンディ・フォーマットや三者コンタクト・グループ(TCG)にて何度も停戦確立の決定が下されてきたにもかかわらず、ロシア連邦が占領するドネツィク・ルハンシク両州側から、毎日ウクライナ軍に対する攻撃が続いていると強調した。
更には、外相は、ロシア連邦がコントロールする違法武装集団が、ミンスク諸合意に違反する形で、OSCE/SMM要員や国際赤十字委員会(ICRC)代表者の被占領下ドンバスへのアクセスを完全に妨害していることを喚起した。
外相は、「それは、ウクライナ政府のコントロールできていない地域におけるコロナウイルス感染拡大の状況を客観的に分析することを不可能にし、苦しむ地元住民への人道支援供与の妨害となっている」と説明した。
また、外相は、EUが国際法違反、人権侵害、紛争地域への武器拡散、平和的情勢解決プロセス破綻を根拠に科している制裁の重要な役割を維持するとの立場を歓迎し、「ロシア連邦のウクライナに対する正にその違法かつ侵略的行動こそが、EUによる対露制裁発動を余儀なくしたのだ」と指摘した。