EU、ロシアに対してOSCE監視員の被占領下ドンバスへのアクセス許可を要請
25日、欧州対外行動庁ウェブサイトにEU報道官声明が掲載された。
声明には、「3月21日から、ドネツィク・ルハンシク両州の通過地点にて、武装集団構成員がOSCE/SMM要員の非政府管理地域への入域、同地域からの出域の通行許可を与えなかった。更に、国連のエージェンシー、NGO、国際赤十字委員会(ICRC)も、非政府管理地域へのアクセスに際し困難に直面している」と書かれている。
その上で、EUは、重要なことはロシアとロシアがサポートする武装集団がSMM、国連機関、NGO、ICRCに対し、コンタクト・ラインの自由な移動を認めることだと強調している。
声明では更に、SMMは、マンデートに従い、ドネツィク・ルハンシク両州の一時的に非政府管理下にある地域を含む、ウクライナ全土の自由かつ障害のないアクセスを得るべきであることが喚起されている。その際、前述の機構・組織による非政府管理地域への障害のないアクセスは、これら地域での情勢展開に関する理想的な情報を得る上で重要であり、それはミンスク諸合意にも規定されており、これら組織が自らのマンデートをウクライナ全土で履行する上での前提条件でもあると書かれている。
また、EUは、新型コロナウイルス感染拡大にともない、SMMが監視手段を現状に適応させていることを指摘した他、「現状では、これらの地域の人々に人道支援を送り続けることが今まで以上に重要だ。国連機関、NGO、ICRCがドンバス全体で支援を必要としている人々のところへの障害ないアクセスを得られなければならない」と指摘した。
声明には、三者コンタクト・グループにて、被拘束者交換や新たな兵力引き離し地点に関する重要な協議が行われたばかりであると書かれている。その上で、EUは、「ロシアは、その建設的な精神を新たな障害を生み出すことによって危機に追いやってはならない」と強調している。