クリミアの若い世代にはウクライナに関する偽情報が教えられている=セメナ記者
ウクルインフォルム
ロシアが占領を続けるクリミアでは、若い世代に対してウクライナに関する否定的なイメージが植えつけられている。
22日、クリミアの記者ミコラ・セメナ氏が、国営企業「クリミアの家」にて開催された公開討論「クリミアの塩~不屈のクリミアとの連帯の日」の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
セメナ記者は、「私は新しい世代のことをとても心配している。私がとても恐れているのは、その世代はもはや失われてしまったのではないかということだ。どのような偽情報が流されているか、どのような情報特殊作戦が行なわれているか、あなた方は想像もできないであろう。クリミアの学校にいる子供たちに対しては、『ウクライナのクリミア』という過去について、一切の肯定的なこと、良いことというのが教えられておらず、ウクライナに関しては、ウクライナ政権だけでなく、ウクライナ人一般について否定的なことだけ教えられているのだ。それは非常に恐ろしいことだ」と発言した。
セメナ氏は、ウクライナ側から発せられる言葉はクリミアの人々にはなかなか届かないと指摘した。
なお、ミコラ・セメナ記者は、被占領下クリミアにて記者活動を続け、ラジオ・スヴォボーダ通信内プロジェクト「真実のクリミア」にて記事を発表していた人物。2017年9月22日、シンフェローポリのザリズニチニー地区「裁判所」がセメナ氏に対して、2年半の執行猶予期間と3年間の公的活動の禁止判決を言い渡した。この判決に対して、セメナ氏は、思想の自由の権利を実現していただけだと主張。ウクライナ外務省、米国務省、EU、複数国際団体は、セメナ氏に対する判決を非難していた。
2020年1月28日、同「裁判所」は、セメナ氏の無罪を認め、執行猶予を解除する決定文書を発行。その後、2月19日にセメナ氏はキーウ(キエフ)を訪れている。