ゼレンシキー大統領、非中央集権化に関する憲法改正法案を取り下げへ
16日、ゼレンシキー大統領と人民奉仕者党会派の幹部会合の際に同決定が採択された。大統領府広報室が伝えた。
発表には、「会合の結果として、大統領は、自身が以前提出した非中央集権化に関する憲法改正法案(登録番号第2598)を取り下げ、修正に出すことを決定した」と書かれている。
大統領府はまた、大統領と与党人民奉仕者党会派の副会派長たちの会談時、非中央集権化改革の最終段階に関する問題について議論されたと伝えた。
その際、出席者たちは、同改革の戦略的課題は新たに設置されている自治体「領域共同体(フロマーダ)」が権限を有すシステムを作ることだとの点に同意したという。発表には、地方自治体の発展が、憲法上の主権・領土一体性の防衛メカニズムと国民の憲法上の権利と自由と並存しなければならない、と記載されている。
同時に、大統領を含む出席者たちは、非中央集権化改革の憲法改正には、詳細な議論、あらゆる関係者との協議が必要だとの考えを述べたとのこと。
なお、非中央集権化に関する憲法改正法案(第2598号)は、2019年12月13日にゼレンシキー大統領が最高会議に登録したもの。
同法案には、非中央集権化によって新たに地位を得る自治体「領域共同体(フロマーダ)」における最初の地方選挙の実施タイミングなどが記載されている。同改正により、政府が行政領域機構の変更を準備し、これにより、地方自治体「領域共同体(フロマーダ)」が地方自治の主要主体となる。また、中央政府を代表するのは「知事(プレフェクト)」となり、地方自治体の採択する決定の合法性を監視する役割を担うことが想定されていた。
この憲法改正法案に対して、15日、在ウクライナ・ドイツ大使館が批判的見解を発表。同日、在ウクライナ・カナダ大使館も同法案につき、包括的な市民協議の開催し、欧州地方自治憲章の原則と一致させるよう呼びかけていた。