テチャーナ・モナホヴァ国家語保護全権
物事が罰金の段階まで至らないように、国家語学習の前提条件を全て生み出さなければならない。
17.12.2019 17:12

ウクライナには、国家語保護全権(言語オンブズマン)という史上初めてのポストが設置された。

私たちの言語オンブズマンとなったのは、テチャーナ・モナホヴァ氏。政府が2019年11月27日に任命した。「国家語としてのウクライナ語機能保障法」は、このオンブズマンの権限の発効を、同職への任命から6か月後と定めており、モナホヴァ氏は今のところ、事務局の設置作業を行っている。

私たちは、新たに任命されたオンブズマンに対して、同職の権限、彼女のウクライナ語保護、ウクライナ語使用上の問題・制限の解決の手段に関する考え方を尋ねた。


国家語を人気を高めることもまた、保護の形態の一つ

モナホヴァさん、あなたは国家語保護全権就任後の最初の記者会見時に、罰則ではなく、国民のウクライナ語による情報・サービス取得の権利の保障を優先課題として挙げました。どんなことから仕事を始めるつもりですか?

私は、何よりまず、「国家語としてのウクライナ語機能保障法」の弁護をしたいと思っています。その法が何に関するものなのかを説明することです。人々は、同法が恐ろしいものだと思って恐れていますが、しかし、法律を読んでみれば、恐ろしいことは何もないことがわかります。

第一に、同法違反による行政責任(罰則)のシステムの適用は延期されました(罰則に関するのは同法第57条。同条項は、国家語保護全権の任命から6か月後に発効する)。罰金は、明日発効するわけではないのでありません。効力がない今のうちに、私たちは、人々がウクライナ語を学びたがり、それを勉強できる場所を見つけられるような環境を作らねばならない、ということです。物事が罰金の段階まで至らないように、国家語学習の前提条件を全て生み出さなければなりません。

国家語学習コースがない町に、無料コースを設置しなければなりませんし、国家語を学ぼうと思った人が国家の支援を受けられるようにせねばなりません。

そのため、事務局が設置されたらすぐに、作業メカニズムを調整し、本件について、教育・科学省との協力作業が始まります。ウクライナ語学習コースは既に多くの町で機能していますが、しかしより体系的で、アクセスしやすくしなければなりません。

第二に、罰則の話をすると、私は、誰にも罰金を求めなくて済むような前提条件を作り出した方が良いと思っています。クレームが来た場合、私たちはまず違反者に対して法律の説明をし、1年以内に2回目のクレームが入った場合に、法に従って行動しなければならなくなります。もしかしたら、あなたはその間にお客とウクライナ語であいさつするようになるかもしれません。お客があなたにロシア語で話しかけたら、あなたもお客さんに(ロシア語で)返答して良いのです。

全てが穏便でなければなりませんが、しかし、法の支配も必ず保障されねばなりません。そのため、私たちの課題は、ウクライナ人の言語の権利が保護されるように、同法を機能させることにあります。

私たちは、ウクライナ語の人気が高まるように積極的に仕事をしていきます。なぜなら、人々の国家語への姿勢を変えねばならないからです。残念ながら、(ウクライナ語について)いまだに多くの偏見やネガティブなステレオタイプがありますし、「話す言語の違いの何が大切なのだ?」と述べる人もいます。ですから、私たちは彼らに呼びかけていきます。私は、言語の人気を高めることも、保護の形態だと思っています。

人気音楽バンドが多くの人々のウクライナ語移行を促した

言語の人気を高めることとと言いますが、具体的には、それはどのように起こるといいのでしょうか。

人々のモチベーションを高めなければなりません。質の高いコンテンツ、アート作品の例を示して、芸術、文化、教育の分野で行動を起こさなければなりません。若者たちはフラッシュモブが好きですし、質の高い、細部まで凝った、ユーモアや味のある公共広告が好きです。

映画館からは、子供たちが出てくる場面を思い出してみてください。彼らは、ディズニー・アニメをウクライナ語の吹き替えで見ています。子供たちは笑ったり、映画のせりふを繰り返したりします。そこでは、ロシア語話者の子供たちも、徐々に会話の中でそれらのせりふを使うようになるのです。すなわち、質の高いウクライナの映画コンテンツが必要ですし、外国の映画であれば、質の高い吹き替えがなければならないのです。

私は、例えば、音楽バンドの「オケアン・エリジ」や「ヴォプリ・ヴィドプリャソヴァ」は、かつて多くの人々をウクライナ語に移行させたと思っています。私の周りのロシア語話者の友人は、彼らの曲を聞き、歌を歌い、それからウクライナ語を使い始めていました。

ところで、ウクライナの音楽といえば、ラジオとテレビの「言語割り当て」が機能し始めて既に3年が経ちました。あなたは、結果に満足していますか?

私たちは、ウクライナ人がついに、自国にどんなバンドや曲があるかを知ることができるようになったという、大きな結果について話すことができます。私たちは、ウクライナで作られているものについて知る権利を得なければいけませんし、割り当て制はその点で非常に大きな効果を出しています。今、75%以上がウクライナのコンテンツという割り当てになっており、これを90%まで引き上げる計画です。しかし、それは徐々に、5年かけて行われます。

ところで、フランスの言語割り当て制は、より厳しい内容です。もしフランス国内テレビ局にて、フランス映画の上映が行われている場合、他のテレビ局は同じ時間にハリウッドやら他の外国製の映画を放送できないのです。想像できますか?フランスでは本件はより厳しく規制されているのです。

そのため、私たちは、複数の方向性で行動を始めます。文化、アート、ラジオやテレビの美しいコンテンツから始め、人々がウクライナ語を聞くことが心地よくなるようにし、ウクライナ語に加わりたくなるようにするのです。

スーパーマーケットの店員もウクライナ語に関する提案をして良い

つまり、あなたは教育省や文化省と協力していくつもりなんですね。

ええ、共同作業でなければいけません。更に、市民専門家グループが事務局直轄で設置されます。市民からのフィードバックも必要ですから。

私たちは、言語問題の活動家たち、言語を積極的に保護する人々、言語学者、作家、全ての希望者を対話に招待します。スーパーマーケットのレジの仕事をする人でも、ウクライナ語の運命を応援しているなら、自分の提案、考え、観察内容を表明しに来てくれて良いのです。社会との対話がなくてはなりません。

法律は、事務局設置に6か月をあてています。あなたは、既に事務局の職員数や採用する人を決めましたか?

国家語保護全権というのは、ウクライナ史上において全くもって新しい機構です。法律によれば、私が権限を得るのは法律発効から6か月後となっています。この半年間、事務局設置が行われます。この期間、チームを集めなくてはなりません。このチームの機能は法律が次のように定めています。すなわち、私たちは、クレームを受け取り、それを審議し、裁判プロセスに参加しなければなりません。つまり、強力な法律部門が必要です。私たちは、法の履行とその効果をモニターせねばならず、また分析部門も設置されます。言語学的実験も行わなければなりません。能力ある言語学者によるチームが作られます。

つまり、本部は、機能に応じて構成されます。思うに、本部は最大で50人となるでしょう。本当は、より少ないほうが良いとも思っています。2020年度予算では、私たちにあてられているのは1750万フリヴニャですが、事務所賃貸、公共料金、技術品購入や、地方への移動の出費といった、多くのものへの支払いが必要です。

同全権代表者は、ウクライナの各地方で活動していきます。実質的に、オフィスは5つとなり、一つのオフィスが複数の州をまとめて担当します。なぜなら、全権代表者を各市一人一人配置したら、納税者たちが、それがどれだけ目的に適ったことなのか、と大変合理的な質問をするでしょうから。

他にも法には、国家語基準委員会の設置が定められており、その課題は、主に、国家語運用レベルの基準と判定手法の確立となっています。国家語運用レベルは、国籍取得や法の定める職業への就職に必要となります。その委員会はもう設置されましたか?

設置済みです。現在、人員構成が確定されているところです。同委員会の予算割り当ては1月からです。私たちは、もちろん協力していきますよ。

ところで、言語運用レベルについてですが、第11条はそのレベルに関して書かれていて、私はそこが、いくらか曖昧な定義だと思っています。「自由な運用第2レベル(C2)の国家認定書は、その人物が読み聞き全てを実質的に容易に理解し、様々な音声・文章情報源からの情報を一般化でき、論理的かつ一貫した形で詳細に統合することができ、自発的かつすばやく正確に表現し、困難な状況であっても考えの最も複雑なニュアンスを伝達することができる」という表現になっています。

実は、いくつかの表現に関してはまだ作業を要します。しかし、国際的な言語能力の認定書発行システムは、既に存在しています。そのシステムは世界中で作成されたもので、私たちが新しいレールを生み出す必要はないのです。人々は英語能力の試験を受けて、例えば、B2やC1の認定書を受け取るわけです。私たちがするのは、単にその明確な手法をウクライナ語に適用するだけです。

そうして、外国の国民は、この試験を受け、認定書を得られるようになり、その後、仕事や国との協力を要求できるようになります。

現在、表現に対して過度に要求を高めるべきではありません。なぜなら、今後どの欠点も細かく点検されますし、それを担当するのは(1月から活動を始める)ウクライナ語基準委員会なのですから。

私たちは、ベニス委員会の勧告には耳を傾けるが、ウクライナは国内政策を独立して運用する

最近出されたベニス委員会のウクライナの言語法に関する勧告のうち、どのようなものを履行して、どのようなものを留意するかにつき、既に見解がありますか?あなたは、その勧告に対してどのように考えていますか?

国家語としてのウクライナ語の機能保障法は、ウクライナ憲法裁判所に送付されました。同裁判所が評価を下すことになり、その判決は強制力を持ちます。

ウクライナは、欧州の法治国家として、言うまでもなく、ベニス委員会の勧告に耳を傾けますし、それはとりわけ、今後の立法の際に考慮します。既に、民族マイノリティー言語法案の作業が始まっており、そこで勧告されていることに注意を向けねばなりません。

しかしながら、私たちは、独立して、私たちの国益を考慮して、自らの国内政策を運用します。

民族マイノリティー言語保護法が採択されるまでは、国民は自分の言語が圧力を受けた際、あなたに連絡すれば良いですか。

それは、私の権限に入っていません。民族マイノリティー法は文化省が扱っており、同省に作業部会があります。連絡するのはそちら、文化・若者・スポーツ省です。

国家語保護全権は、国家語を「公の場での屈辱、軽視、公的文書・文章における国家語の意図的な歪曲」から守らなければならないとあります。具体的には、何が文章における国家語の「公の場での屈辱」にあたるのでしょうか。

私は、まず次のことを指摘します。ウクライナには、優れたポストモダン作家、ポストモダン詩人の集団がいて、彼らはスルジク(編集注:ウクライナ語とロシア語の混声語)を使いますし、卑語も芸術の要素として用います。例えば、セルヒー・ジャダン氏は、詩を書くときに、卑語を使いますし、彼はそれを、国家語を蔑むために行っているのではありません。彼はアーティストであり、それは彼の見方です。

しかし、別の場面もあり得ます。ある者がマイクに近づき、ウクライナ語は言語などではなく、何か別の言語の方言であって、ウクライナ語は生活で使うに値しないものだと話し始め、ウクライナ語を蔑むような評価を下すとしたら、そのような時は一つ一つの場面で、言語学的な調査が行われなければなりません。

アートに関係するものであれば、別の話です。誰かが目的をもって、ウクライナ語を話す人々の気持ち、国家語そのものを害そうとするのであれば、それはまた全く別のことです。私たちはその際には、法律の定めるあらゆる方策を行使します。

しかし、それでも、詩や曲の歌詞から違反がないか探し出すような人はたくさん出てくるでしょう。どう対応するのですか?

そのために私たちは、法律部門を設置しますし、言語学の専門家が仕事をします。それが意図的なのか、アートなのかにつき、アルゴリズムと基準が明確に書き出されます。

明らかなことは、法律の中に具体化を要する部分があるということです。しかし、あなたがスルジクを用いて詩を書いたことで、法を犯したのではないか、などと考えたり怖がったりはしないで欲しいのです。

でも、「ウクライナはいまだ死なず、私たちが散歩をしている限り」と歌うヴェルカ・セルデューチカのような人もいます。一方では、それはポップ・アートですが、他方では、国歌に対する侮辱だとレッテルを貼ることも可能です。

ええ、それに怒る人もいるでしょう。しかし、言語的分析のアルゴリズムに従って具体的に行動しなければなりませんし、個々の事例にて、ある点に言語法への違反がある/ない、ということを証明せねばなりません。

私は、パニックを起こさないようにアドバイスします。何であれ、私たちは、現代人ですし、アートの世界ではアーティストは何でも許されるということをわかっているのですから。

民族伝承の中にさえ、卑語に分類される言葉が多く見つかる

アーティストの次は、政治家の話をしましょう。議会の演壇やら何やらから、卑語が聞こえてきて、ウクライナ人全員が耳にするような場面が時々あります。そのような場面では、あなたは言語オンブズマンとして、どうやって私たちの耳を守るのですか?

そのような場面は、既に行政違反法典第173条「軽微な暴力、つまり、市民空間での卑語使用」があなたを守っています。公的空間においては、卑語の使用は誰もしてはなりせんし、法秩序を乱す行為であり、近くにいる人々の美的感覚を害する行為です。

それはそもそも言語の話ではないのです。ウクライナ語はあらゆる表層において多彩であり、卑語も有しています。ウクライナには、大量の民族伝承の財産がありますが、その中にも、結婚式で歌われてきた、でも今の子供たちには聞かせない方が良いような、恥ずかしい歌がなどが含まれています。つまり、伝承の中にも、多く「卑語」に該当するものが含まれているのです。

しかし、政権幹部や公的な場で発言をするような人物が卑語を用いた場合には、それは行政違反法典への違反となります。

もし、例えば、「激しい値下げマン」のような、卑語との境界線上にあるような単語が広告で使われている時には、どのような方策をとりますか?それは言語の侮辱ではないのでしょうか?クレームを送っても良いですか?

クレームは何に対しても送って良いですよ。私たちは、全てのクレームの内容を満たせるなどと保証することはできませんが、必ず全てのクレームを審議しますし、法の定めた期間内に返事をします。

国家語法は、政権幹部に職務執行時の国家語使用を義務付けています。その義務でどうなるでしょうか。テレビからは、特に最近、政権幹部の何人かは、あえてロシア語に移行した人もいます。そのような政権幹部に対して、「言語制裁」が科されるのでしょうか。

政権幹部として、公的な場で演説をしたり、あるいは、政権代表者としてコメントしたりする場合は、国家語の使用が義務となっています。その人物が、法の規範に違反すれば、その人物につきクレームを出すことが可能です。私たちは、クレームを審議し、まず説明のための対話を行うことになります。それが効果を持たない場合は、罰金となります。罰金は、最大で非課税生活用最低単位で700となります。

政権高官が法に違反して、誰もクレームを出さない場合は、私たちの分析課がモニターをすることになります。私たちは、どの程度法律が履行されているか、政権・政府関係機関のあらゆるところで履行されているかにつき、必ずモニターを行います。

社会へ情報発信とフィードバック受け取りのために、公式サイトや、テレグラムやインスタグラムのアカウントが作られる

あなたは、言語法は言われているほど怖いものではないという話から始めましたね。しかし、私は、失礼ながら、全権は言われているほど「それほど閉鎖的ではない」ということも足すべきと思います。あなたは、おそらく、あなたが任命されてから、メディア上でどのようにあなたのことが書かれているか読まれたかと思います。

私の労働手帳は、まだ大学にあります。(全権への)予算支出は1月からですが、私は毎週のようにキーウを訪れています。私は実質的に、電車の中で暮らしています(笑)、なぜなら、ミコライウで仕事の引継ぎをしないといけないですし、試験も行わないといけないですが、キーウでも色々なことをしなければなりません。なぜなら、遅延させるわけにはいかないからです。

私が自分のフェイスブック・アカウントを閉鎖したことで不満が述べられましたが、しかし、それはテチャーナ・モナホヴァの個人のページであり、まだ全権職に就く前のものでした。今からは、公式のアカウントが作られ、テレグラム・チャンネルやインスタグラム・アカウントが作られます。社会への情報発信とフィードバック受け取りのために、あらゆるリソースが用意されます。私たちは非常にオープンですし、社会との対話を本当に必要としています。

あなたの出身地であるミコライウは、主にロシア語の町ですよね。どのようにして、あなたはその町で、ウクライナ語を勇敢に防衛するような戦士に変貌したのですか?

私が17年間働いた大学は、最初からウクライナ語の使われる場所でした。その大学は、キーウ・モヒラ・アカデミー大学のミコライウの支部で、その後に個別の「国立」のステータスを得ました(編集注:黒海国立大学)。同大学では、学生達は、ウクライナ語を身につけ、授業中でも休憩時間の廊下でもウクライナ語を話しています。

私は、教え子たちから手紙をもらうと、とても嬉しいです。最近も、ある学生が私にこう書きました。「私は今市議会で働いています。皆が私にこう言うのです、『おお神よ、お前のウクライナ語はなんて素敵なんだ。ミコライウのどこでそんなきれいな言語を学んだのだ?』と。私は、こう返事しています、『モナホヴァ先生とだったら、あなたも話せるようになるよ』と」。

私たちの大学でウクライナ語を学んだ学生たちは、その後ウクライナ語を生活の中で自由に運用できています。そして、実際、ミコライウのウクライナ語を巡る事情は現在変わってきています。ウクライナ語は、公共交通機関や、スーパーのレジでも聞かれます。スルジクもよく聞こえてきますし、ロシア語の方が今でも優勢ですが。だから、私は、人気と動機を高めることが大切だと話しているのです。

ムチや厳しい手法だけ使って脅すと、その結果、人々は法への違反を恐れるようになるでしょう。しかし、私たちは、ウクライナ語が生活のあらゆる分野、ウクライナのあらゆる場所に広まって欲しいのです。

ですから、ウクライナ語は懲罰の手段ではないのだよ、ウクライナ語はあなたが国家に入り込む道具なのだよ、それによって国の中でのあなたの可能性が開けるのだよ、と言うべきなのです。

今あなたは、あなたの大学で学生はまずウクライナ語を授業で話すようになり、それから休憩時間も話すになるという、素敵なフレーズを述べました。しかし、多くの場所ではそういう風にはなっていません。特に、初等教育前の幼児教育施設や、学校の低学年の状況は、教師がウクライナ語で授業をしても、休憩時間になったら、その教師が同僚とロシア語を話していたりするのです。

そうですね、先生・教育者が子供たちとともにいることは、教育のたゆまぬプロセスです。授業の45分間だけあなたを教育します、そのあとは、教育しません、などと言うことはできません。子供たちは、あらゆることを聞き、全てを吸収しますから、教師たちには、子供たちと一緒にいるときは、ウクライナ語で話すべきだということを説明しなければなりません。そして、あなたたちは親として、子供たちのためにウクライナ語環境を作り出すよう要求する権利があります。あなたたちが、自分の子供の言語の利益を守るのです。

学校のテーマに入りましたが、あなたは、(南西の)ザカルパッチャ地方一部地域の言語上の統合状況をどう見ていますか。というのも、今日、同地域ではウクライナ語学習の面では非常に困難な状況があるからです。現地の子供たちは、全国試験のウクライナ語科目にて最低平均点です。

その状況は知っています。特にルーマニア語学校、ハンガリー語学校の子供たちの全国試験の成績が悪いです。なぜなら、その地域では、ウクライナ語に対して全く注意が払われていないからです。私は、ウクライナ語保護の話になると、本件に特に注意を向けています。同地では、保護が必要です。

言語学習の条件が作られなければ、子供たちは選択肢を失います。児童がウクライナ語を習得し、全国試験を通れば、その後、ポーランドの大学にもキーウ国立大学にも、モヒラ・アカデミー大学にも入学する選択肢が得られます。しかし、児童がウクライナ語の試験を通らなければ、ウクライナの大学に入学する道は閉ざされます。それこそが、人々の言語権利の保護なのです。どこで学ぶかの選択肢を与えること、子供たちに国家語を学ぶ機会を与えること、国家に居続けられる機会、入りたい大学に入る機会、今いるところで自分を見つける機会を与えること、それこそが私たちの保護することです。

私たちは、本件につき、必ず教育省と外務省と協力していきます。なぜなら、本件は複雑で、国際関係や、言語状況、教育プロセスなどが絡み合っています。それは包括的作業になりますし、皆と作業していきます。

ウクライナ語に対し、特に激しい反発する人々は、政治的な印象操作のせいで何らかのトラウマを抱えている人々

モナホヴァさん、教育プロセスにおいて、あなたが「アメ」の支持者であることはわかりました。そこで、いくつかのアドバイスをしてくれませんか。レジ打ちの店員がウクライナ語に移行したがらない場合、その店員の顔に小銭を投げ付けずに(そういうことをする人もいました)、自らの言語上の権利を防衛するにはどうしたら良いでしょう。もちろん、極端な例を挙げましたが、しかし、生活上の「言語のけんか」は、皆の神経を害するものです。レジの店員が私の言語権を犯し、ウクライナ語で返事をしない場合は、何をすべきですか?すぐにあなたにクレームを書くのですか?

あなたがそのような場面に出くわした場合、あなたはレジの店員に「私はあなたの上司に問い合わせなければなりません。なぜなら、あなたは言語法に違反していますから」と言います。それで効果がない場合は、そこの幹部に話して、店員が言語法に違反していることを指摘します。もしかしたら、彼らが義務を正しく履行するように店員を説得するかもしれません。

それがうまくいかない場合、その時は、直接裁判所に訴えて自らの言語権を防衛することもできますし、国家語保護全権に問い合わせることもできます。その時は、私たちは、法に書かれている方策を適用します。

最初は、警告を伝え、そのスーパーマーケットと話をし、その後、彼らの振る舞いが変わらない場合の制裁がどのようになるものか説明します。あなたがそのお店をまた訪れて、彼らがそれでもあなたにウクライナ語で返事をしない場合は、あなたは私たちのところにもう一度問い合わせてください。私たちは、罰金を科します。

私は、「はじめに法ありき」だとしても、人々と笑顔で向き合い、「もしあなたが私とウクライナ語で話してくれたなら、私は大変嬉しいです」と話しかけるような、人間的な方法から始めることを支持します。私は、笑顔を向けて、直接問いかけたら、より肯定的な反応が得られるものだと明言します。

ウクライナには、ウクライナ語を話せない人というのは、とても少ないです。彼らの中に何らかの防壁があって、それを取り除けば、話せるようになります。問題は、言語にあるのではありません。言語というのは、気に入る、気に入らないという類のものではないのです。

ウクライナ語に対して、最も激しく反発している人々は、政治的な印象操作のせいで何らかのトラウマを抱えている人々、運命を歪められてしまった人々なのだと思います。彼らのその否定的な態度は、言語そのものに向けられているのではなく、特定の政治家、表現、ナラティブ(語り口)に対してのものです。

しかしながら、どのような政党も、政治家も、ウクライナ語を独占してはいません。ウクライナ語は、私たちの共通の価値です。ウクライナ語は、生き生きとして、華やかで、優しいものです。一緒にウクライナ語を話していきましょう。

リュボウ・バジウ

写真:オレーナ・フジャコヴァ/ウクルインフォルム

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