ヴァディム・プリスタイコ外務大臣
ロシアを妥協に追いやるチャンスはまだあり、そのチャンスは利用せねばならない。
15.10.2019 17:31

ウクライナ外政は、過去数週間、多くの「ホットな」話題であふれかえった。しかし、ドンバス地方の武力紛争の解決は、おそらく、引き続き最もホットであり続けるだろう。忘れ去られていた「シュタインマイヤー・フォーミュラ」への回帰は、その意味で、火に油を注ぐことになり、マイダンから煙が上るほどになった。

一つの火事を消しつつ、必要な火は消さないでいるにはどうしたら良いのか。ウクライナはどうして「ノルマンディ」首脳会合開催を主張しているのか。トランプ・ゼレンシキー電話会談記録の公開は、ウクライナにとってどのような悪影響があるのか。ウクルインフォルムは、これらをウクライナのヴァディム・プリスタイコ外務大臣に質問した。


首脳こそが、変化を起こしうる。

大臣、議会であなたが任命された日、あなたは、半年以内にドンバスでの進展を遂げることが極めて重要だと言いました。なぜ半年なのですか。ORDLO(ドネツィク・ルハンシク両州一部地域)特別地位法の効力が切れること、あるいは、欧州連合(EU)の対露制裁の半年の更新時期が来ることと関係があるのですか。

それについては、記者等から非常によく質問されます。何よりの回答は、「あとどれほど待たなければいけないのか?もう約1万4000人死者がでている。緊急方策をとるには、あとどれだけの死者が必要なのか」というものです。

実際には、私たちは数字には縛られておらず、実感できる結果達成のために、多かれ少なかれ受け入れられる日程を見つけようとしていたのです。

ノルマンディ4国(編集注:ドイツ、フランス、ウクライナ、ロシア)の前回の首脳会談から、3年が経過しています。首脳会談を開催しないということは、可能性を最後までは利用しないということです。というのも、幸か不幸か、国の首脳こそがしばしば変化を起こすものだからです。

首脳会談から、実際にはどのような結果が得られるか。協議の条件はテーブルの上にあり、全ては協議チームの能力にかかっています。

しかし、私たちは、期限を設定することで、協議における立場を弱め、ロシアに対してゲームの余裕を与えてしまうのではないでしょうか。私たちが「ノルマンディ」会談に関心があるのであり、私たちにとっての開催の「対価」が上げられてしまっています。

しかし、日程を述べることには「メリット」もあります。なぜなら、官僚システムというのはどこも同じように機能しているのであり、首脳が会談を一定の日程で開催すると定めれば、その日付に向けて何かを得られるチャンスが生まれるのです。

つまり、一方では、あなたの言っていることは正しく、私たちの抱く会談開催への関心が不利に働いています。他方では、定められた日程が、全ての当事者を結果に向けて活性化させているのです。

どうして、私たちは「ミンスク」の治安部分より先に政治部分を議論することに同意したのですか?有名な二人の外相、シュタインマイヤー(当時独外相)とファビウス(当時仏外相)の書簡には、ドンバス被占領地の選挙はミンスク・プロセスの最後の段階とならねばならないと書かれています。つまり、武力紛争終了のシンボルとなるものなのです。

私は、私たちが政治部分から始めようとしている、という見解には同意しません。実際には、私たちは人道部分から始めています。

ゼレンシキー大統領の最初のイニシアティブは、交通の再開、橋の修復開始を目的としたものでした。それを始めてからすでに数か月が経過しています。今後は、年金等の支払いの再開となります。

つまり、最初のステップは、私たちが、コンタクト・ラインの向こう側に残されたウクライナ人を「自分側の人々だ」とどれだけ感じているのか、彼らがどれだけ私たちの社会の一部だと感じているのかを、理解しようとする試みでした。私たちは、何とか彼らに接触し、家に連れて帰りたいのです。

しかしながら、文書には今のところ政治部分が書かれており、治安部分はまるで後回しです。それにより、ロシアが、書かれているのは選挙だけだ、選挙が行われるのだ、それで紛争が終わるのだ、と言いかねません。

シュタインマイヤー・フォーミュラのことを言っているのですか?本件は、ウクライナとロシアという、二つの全く異なるアプローチの妥協です。

私たちは、まず選挙実施のために不可欠な条件を生み出すべきという観点から主張をしてきました。ロシア人たちは、人々が認められたと感じられるよう選挙をすべきだ、選挙をしたらあなた方を攻撃するのを止める、という主張でした。

私たちにとっては、そのロシアの主張は受け入れられません。反対に、ロシア側は、国境のコントロールを返してしまったら、彼らの地域への影響が無に帰してしまうことを理解しています。

そのため、ドイツ側がこの「シュタインマイヤー・フォーミュラ」を通じて、選挙を「決定的瞬間」とすることを提案したのです。その「瞬間」とは、ドンバス特別地位法の発効が暫定的発効から恒常的発効に切り替わる瞬間のことです。

しかし、現状、(ドンバス地域の地方)選挙法と特別地位法はないのであり、この2本の法律がない中では、シュタインマイヤー・フォーミュラは何の役割も果たさないのです!

もし、これらの法律に、選挙はウクライナ法に明確に従って行われねばならないと書かれるなら、つまり、十分に治安条件が創出されねばならないと書かれるなら、それは、条件創出より前に選挙は実施されてはならない、ということの保証となるのです。

軍の引き離しもまた、治安条件の履行の一部です。なぜなら、軍部隊のコンタクト・ラインからの後退なくして、敵対レベルの減少は達成し得ません。

自国領側への後退は、撤退と受け止められます。そうではないと人々を説得するのは困難です。

自国領側への後退が痛みを伴うものだという点、同意します。唯一言えることは、私たちは、そこから国軍を後退させるのであって、それ以外のウクライナ国民の安全を守ることのできるウクライナ政権、警察、その他の機関は現地に残るのです。

もう一つの予防メカニズムは、この段階では、防衛施設の解体が行われていないことです。仮に、あちら側が私たちをだまそうとしたことが分かり、私たちの防衛地点の奪取の試みが見られたら、国軍はその地点に戻ります。

現在、本件はホットなテーマであり、多くの感情をかきたてています。しかし、あなた方は、全く論理的に私たちに次の質問もすることができるはずです。すなわち、「以前は、どのような根拠で、私たちは重火器を撤収したのか?」と。

つまり、私たちは後退につき、過去にすでに合意していたのです。今、重火器に続いて、私たちは安全な距離まで軍人を小火器とともに後退させねばならないのです。なぜなら、それがミンスクにて合意したことの次のステップだからです。

私たちは、今、前進するか、それともウクライナ兵を引き続き塹壕に座らせておき、毎日1、2名の人を失い続けるか、それを決めなければならないところまで来ているのです。

誰がその決定を採択するのか。あなた方か、私か、ゼレンシキー大統領か、それとも通りの抗議者でしょうか?

なぜその質問は、5年前のミンスク諸合意署名時に、ペトロ・ポロシェンコ氏には投げかけられなかったのでしょうか。どうして私たちは、国境のコントロールを得るのが最後であることに同意したのでしょうか(編集注:2015年2月12日書名の「ミンスク両合意履行に関する方策パッケージ」第9条には、ウクライナ政府側による国境管理の回復は、(1)地方選挙後の第一日目に開始し、(2)政治的解決(ウクライナ法による地方選挙と非中央集権化憲法改正)後の2015年末までに、憲法改革・恒常的特別地位法発効を条件に、三者コンタクト・グループにてドネツィク・ルハンシク両州一部地域代表者との協議・同意をした上で、完了する、と書かれている)。

その時は、状況が異なりました。今は、私たちが自らの立場を弱めているという印象を受けます。制裁がロシアに対して効力を持っており、時間経過は私たちにメリットがあるにもかかわらず、です。

もし、次のタイミングで制裁が延長されなかったらどうするのですか?

もしかしたら、ウクライナ国内には全てうまくいっているという印象があるかもしれませんが、しかし、私たちは、実はそうではないと思っています。

なぜなら、制裁は、制限リストだけではないからです。より広く物事を見なければなりません。ロシアに対する姿勢、握手をしないこと、これらも全て制裁です。それを徐々に外れていくこと、つまりは、誰かが結婚式でプーチンとダンスをしたり、誰かが(独露の新ガスパイプライン)「ノルド・ストリーム2」の最後の数キロメートルの建設を終わらせたり、誰かが来年G7議長国となる時にプーチンを招待することの何が悪いのだ?と述べたりしていく内に、その挙句に、制裁継続のコンセンサスを破壊するという最後の一手のみが残ることになるのです。

その「破壊」は、ロシアとの二国間利益を抱える国なら、どんな国でも行えます。もしかしたら、ハンガリーかもしれない。もしかしたら、イタリアかも知れない。そして、ある日、私たちは、制裁はもうないことに気がつくのです。

ロシアは情報攻撃と操り人形を通じて、ウクライナ社会を不安定化させている。

10月初頭、ロシアのメディアは、今度の「ノルマンディ首脳会談」の結論文書は事前に合意されており、その文書には、選挙前の国境コントロールのウクライナ政府側への返還に関する項目はない、と報じていました。それは事実ですか?

合意されているのは、シュタインマイヤー・フォーミュラに関する部分だけです。

最終的に文書がどのような内容になるのか、私はわかりません。しかし、現時点で首脳補佐官により同意された文書は非常に短く、実質的に、達成済みの進展を指摘するだけのものです。例えば、その文書には、スタニツャ・ルハンシカでの引き離しと交通網の再生、人質交換が完了したことを関係者が歓迎した上で、各国の外務大臣に対して、言うなれば、今後の仕事を行うべく権限を与える、ということが書かれています。

この内容をもって、ロシア側は、国境管理のことが書かれていない、と言っているのでしょうが、そもそもその文書には何も書かれていないのです!

つまり、それもまた、緊張を高めることを目的とした、ロシアからの情報攻撃なのですか?

そうです。類似の攻撃は非常に多く、常に行われています。

見ておいてください。ミンスクにてシュタインマイヤー・フォーミュラの同意が行われると、その後「DPR/LPRの指導者」なる者たちが出てきて、「我々のところに政権など作れないことを、ついにキーウ(キエフ)政権が納得した」などと言うことでしょう。間違いなく、それは、ゼレンシキー大統領の和平政策に反対するウクライナ国民を怒らせるために行われることなのです。

ORDLO地方選挙のテーマは、ウクライナの情報空間に広まっています。しかし、私たちは、被占領地に暮らす住民がその選挙を欲しているのかどうか知りません。なぜなら、住民たちは様々な理由でその選挙を無視する可能性があるからです。脅されることがあるかもしれないし、選挙など必要ないと思うかもしれないです。

そのような危険は確かにあります。しかし、5年前、私たちがミンスクにて諸合意に署名した際、私たちはそのような見方を有していませんでした。

しかし、私たちは、その際、一定の行動順序について同意したのであり、政治的に私たちのために尽力したドイツとフランスのパートナーたちに対して、私たちは履行しないことに決めた、ということはできないのです。なぜなら、彼らはロシアに対して制裁を科し、それにより自国ビジネスに制限を課しており、ビジネス界に対しては、ドンバス紛争解決後に制裁は解除されると約束しているからです。

私たちは現在、遺産として残ったフォーマットで仕事をしているのです。なぜなら、当時、ペトロ・ポロシェンコ氏を含めて誰も、「ミンスク(諸合意)は、1年間(での履行)を想定したもの」と言うだけの力がなかったからです。そして、それ以降、ミンスクは結果を出さなかった。それなら、今、別の形態を模索しなければならない。

その模索は、2015年12月31日にしなければならなかったことなのです。私たちは、それをしなかった。なぜなら、ミンスクと結びついた制裁の効力への強い信仰があったからです。

私たちは今、侵略国が武器を持って私たちに侵攻してきて、それに対して私たちは政治的領域での対抗策を見つけなければいけないという状況にあるのです。

大臣は、10月14日のルクセンブルグにてEU各国外相と会い、ミンスク諸合意履行を含めて、議論を行いますね(編集注:本インタビューのウクライナ語版が公開されたのは、10月12日)。あなたが欧州のパートナーたちに伝えたいことは何ですか?

ウクライナ政権は、現在、ある種の非常に痛みを伴う行動を取ろうとしている、それに対して社会の一部が抗議行動を取っている、ということです。

また、別の社会の一部は、「前に進もう。私たちは、際限なく今の状況にはいられない。現在の占領は私たちを毒しているのだ」と述べています。

さらに残りの3分の1の社会は、「全部に同意してしまわないとだめだ。そこには私たちの親族、家族がいるというのがわからないのか!」と述べています。

そのため、私は欧州に対して、この私たちの非常に苦しい決定は、決して宙に吊るし上げられてはいけない、あなた方は肩を寄せて、それを支えなければいけない、と言いたいのです。なぜなら、今、欧州がロシアに圧力をかけなければ、状況はもう一度軍事対立の状態に戻ってしまう。つまり、私たちは、再びバリケードを作り始めることになるのです。

最近、大臣は、ロシアからも被占領下ドンバスの主権回復の行動を待っていると発言しました。どのような行動を待っているのでしょうか。

私たちは、非常に残念なことながら、その領土がロシアによって直接コントロールされていることを理解しています。つまり、私たちの同地の住民への影響力は、複数の理由により、極めて制限されているということです。私たちは、これに対して様々な対応を取ってきたのですが、例えば、一定の貿易を止めて、それによって経済面でのあちら側への影響力を自ら剥奪しました。

実際には、ウクライナをはじめ皆が求める方向へとロシアが進み始めるには、プーチン一人が決定するだけで十分です。

つまり、今、ロシアが始めるにふさわしい全くもって正しい行動があるのです。例えば、被占領下ドンバスにいるロシアの軍指導部と傭兵を連れ去り、ロシアから同地への資金援助を止めること、なぜなら彼らが自立できていないのは明白ですから、それから、ウクライナ領から重火器を撤収させる命令を出すこと、ロシアの身分証明書をこれ以上撒き散らさないことです。

ロシアには、それを行うにあたって、どのような利益があるのですか。なぜなら、ロシアはウクライナを崩壊させるために戦争を始めたのです。そして、私たちは、そのような行動をどれだけ待つことができるのでしょうか。

素敵な質問ですね。しかし、その前のあなたの質問と矛盾していますよ!なぜなら、もし私たちが前進の可能性を信じるなら、現在地点に立ち続けることを望む必要はないでしょう?

なぜなら、私たちは、ロシアが被占領下ドンバスに非常に強力で、今後100年は事足りるだけの兵器や弾薬を持ち込んだことを知っています。彼らは、ウクライナの軍人を際限なく長期にわたり砲撃し続けることができるのです。

正にそれが理由で、私たちは6年目、7年目、8年目と待ち続けたくはない。逆に、欧州の制裁の圧力を、ロシアを妥協へ追いやるチャンスにして利用したいのです。

ロシアは、最近ウクライナに海軍軍人を帰還させました。交換の枠組みでの帰還を、国連海洋裁判所(ITLOS)の決定履行ととらえることはできますか?

私たちの考えでは、あれはITLOSの決定履行ではありません。しかし、ロシア側は、24人の海軍軍人をウクライナ側に渡したと書いた口上書を裁判所に送付しています。つまり、彼らの考えでは、ロシアはその部分を履行したことになっています。

それでは、その他の部分、つまり、「ニコポリ」、「ベルジャンシク」、「ヤニ・カプ」の艦船返還は?

私は、艦船もまた近々返されると確信しています。私たちは、3隻をいつでもどんな場所でも受け取る用意があると伝えており、どこで渡されるのか伝えて欲しい、とにかく返して欲しい、と伝えています。

ところで、私は、それらの船の看板に砲撃のあとが残っているかどうか、返還が遅れているのが、そのあとの修復と関係あるのかどうか、今後の捜査のための跡を残さないようようにしているのではないか、見てみたいと思っています。

私は長らく外交世界で働いているが、国家の首脳がそのように敏感だとは思えない。

ゼレンシキー大統領のワシントン訪問の話題は、二国間の議題に残っていますか?ひょっとして、次の米国の大統領選挙まで「保留」になっていませんか。

そのような問題は、誰も提起していません。招待状はあります。トランプ大統領は、書面の形でゼレンシキー大統領を招待したのです。しかし、私たちの大統領は、ニューヨークでの会談時(編集注:9月25日)に、トランプ氏が日付を書き込み忘れた、と適切に指摘しました。

その発言は会場に笑いを誘いましたが、しかし、日付はそれでも述べられませんでした(笑)。

しかし、私たちはそれを大して心配していません。日付はいずれ出てきて、私たちは渡米するでしょう。

ゼレンシキー大統領とトランプ大統領の電話会談記録が公開されましたが、その後のリスクの最小限化戦略はありますか?

私たちの戦術・戦略は、非常にシンプルです。私たちは、アメリカ国内の争いに、共和党側にも民主党側にも、関与するつもりは一切ありません。それが私たちの戦略の全体像です。選挙前争いの外にいることです。

新しい駐米ウクライナ大使は、いつ任命されますか。

そのうち、私たちは、次の大使の候補についてアメリカ側と議論する準備ができます。

若くて展望のある人ですか?

今のところ、私は、若くて展望のある人物というよりは、経験があって展望のある人物となるように思っています。

ゼレンシキー・トランプ電話会談記録公開によって、私たちは、独・仏関係にどれほどのダメージを受けたのでしょうか。

私は、私たちの西側パートナー国から、いくらか誇張した感情的な表現があるように思っています。不快感は、過激な表現では伝えられていませんが、それでも一定の緊張は確かに感じられます。

私は、外交世界で長らく働いていますが、率直に言って、国家の首脳というものがそれほど敏感だとはあまり思えないのです。それよりは、この状況を利用したいというある種の願望があるように思います。

その記録公開によって、外交の世界は、全くもって新しい現実と向き合うことになりました。その現実は、全くもって野蛮なのですが、しかし私たちは、それに適応しなければなりません。全くもって新しい外交なのです!

私たちは、長らく、私たちの職業は死に向かっている、と同僚たちと冗談を言い合っていました。首脳たちが自分たちで直接話をし始めているからです。しかし、私たちですら、これほどすばやく彼らの対話の詳細が広く一般に伝わってしまうとは思っていませんでした。

それ以降、全ての国の首脳が、トランプ氏とどのように話したら良いか、考えたことでしょう。

あるテレビ番組にて、オリハ・アイヴァゾウシカ氏(編集注:選挙問題を扱う市民団体「オポーラ」代表。三者コンタクト・グループ政治作業部会ウクライナ代表を務めていたこともある)が、ウクライナの外交官全員が、例えば、今後の被占領地選挙についてなど、大臣の演説をどう解釈していいか理解しているわけではないと述べていました。あなたは、その際驚き、その外交官の名前を述べるように求めましたね。あなたは、ゼレンシキー・チームの国際問題への新しいアプローチにつき外交官と議論をしましたか?

何かが変わったなどいう考えはどこから現れたのですか。

以前は、「ミンスク」の治安問題に主な注意が向けられていましたが、今は政治問題に向けられています。

私がアイヴァゾウシカ氏の質問によって慌てることがあるでしょうか。そもそも、彼女は、2年半、政治作業部会で協議を行っていたのです!私はあの時、彼女に対して、その期間そこで何をしていたのかと聞きたかったです。私たちの兵が亡くなる中、作業部会は何を達成したのかと。その作業部会は、政治問題を解決するために作られたのではないのか。どのような結果があったのかと。

その政治問題の進展は妨害されていたのではないか、シュタインマイヤー・フォーミュラ実現について合意しようとしたが、何らかの理由で合意できなかった、とかも話せるでしょう。

外務省は、大統領府と外政問題でどのように連携していますか。

いつも二つの道があります。1つは、ノルマンディ関係であり、そちらでは大統領補佐官あるいは大統領府副長官が主導するもので、最近まで数年間コスチャンティン・エリセーエフ(元大統領府副長官)が担っていました。もう1つは、ミンスク関係であり、外務省が積極的に支援し、4つの作業部会の活動のサポートをしています。

現在、この意味では、新しいことは起きていません。この二つの道で、仕事をし続けている人たちがいます。社会が一つ一つのステップが公開されて欲しいと思っているのはわかりますが、しかし、この手の協議の成功は非公開の中で生まれるものなのです。

外政担当大統領補佐官のアンドリー・イェリマーク氏の関わることの数の多さから、同補佐官が「影の」外務大臣ではないかという印象が生まれています。ところで、ゼレンシキー大統領のマラソン記者会見の際にもこの質問がありました。

誰かがそう思いたいのなら、お好きにどうぞ!

閣僚会議(内閣)と大統領を抱える私たちの国の特殊性の中には、常に、大統領府で活発に働く人々という存在があります。彼らは、外交のみならず、経済やその他の分野において、多くのプロセスに加わっています。

私たちとアンドリー・イェルマーク氏は、活発かつ真摯に仕事をしていますし、私は、そこに特別な問題があるとは思っていません。私たちが全てにおいて意見が一致するというわけではないです。なぜなら、私たちは異なる人間なのですから。私たちは、毎日大統領と非常に積極的に対話をしていますし、それぞれが自らの視点を伝えることができます。なぜなら、大統領こそが最終決定を下すのですから。それこそが大統領の責任であり、業であり、彼がせざるを得ないことなのですから。

私は、外務省チームも大統領府チームも均衡があると思うのですが、アンドリー氏の方が効果的に活動できているものもあります。例えば、(ロシアとの被拘束者)交換の協議には、多くの人、例えば、ヴァレリヤ・ルトコウシカ三者コンタクト・グループ(TCG)人道問題作業部会ウクライナ代表、リュドミラ・デニソヴァ・オンブズマン、リスト作成をする保安庁(SBU)職員がかかわっています。しかし、この仕事をアンドリー・イェルマーク氏が調整して、私たちはその結果を得たのです。あれは、彼の貢献です。

現在、彼は次の交換に向けた作業をしています。私は、可能な範囲で彼を支援しています。そして、そこには一切の対立は見ていません。

次の(被拘束者)交換はいつですか。交換はもうすぐだといわれていましたが、その後、なぜ延期されたのか不明となっています。

交換は、行われる度に、次の交換に努力を要するようになっています。しかし、私たちはあきらめません。今の作業を終え、ウクライナ人たちを家に帰します。

ナジーヤ・ユルチェンコオレクサンドル・ハルチェンコ、キーウ

写真:ダニーロ・シャムキン

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