クリムキン前外相、「シュタインマイヤー・フォーミュラ」と被占領地選挙実施の論点を説明

クリムキン前外相、「シュタインマイヤー・フォーミュラ」と被占領地選挙実施の論点を説明

ウクルインフォルム
いわゆる「シュタインマイヤー・フォーミュラ」とは、ミンスク諸合意履行のロードマップではなく、欧州安全保障協力機構(OSCE)の基準に則った公正かつ民主的な選挙の後の、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域(ORDLO)の特別地位の適用時期を定めるものである。

14日、パウロ・クリムキン前外相が欧州プラウダ通信のサイト内のブログ・ページに書き込んだ

前外相は、「(シュタインマイヤー)フォーミュラとは、ミンスク(諸合意)のロードマップでもなければ、情勢沈静化計画でもない。それは、ミンスク諸合意のたった一つの項目にのみ関係するもの、つまり、ORDLOのいわゆる『特別地位』に関するもの、地方自治の特別性に関するものだ。(中略)このフォーミュラは、ORDLOの特別地位はいつ、いかなる条件下で(極めて重要な点だ!)与えられるべきか、という質問に対する返答として現れたものである。このフォーミュラは、私たちのドイツとフランスのパートナーたちにより提案されたものだ。それをもっとも簡単に表現するならば、『特別地位(の発効)は、OSCEの基準にのっとった公正で民主的な選挙の後』という内容だ」と説明した。

クリムキン前外相はまた、OSCEの基準にのっとって選挙が行われるということは、まずミンスク諸合意の、軍や兵器・傭兵の撤退を含む治安条件が履行されねばならないということだと指摘し、さらに「治安条件以外には、選挙実施のモダリティ、つまり、ウクライナ中央選挙管理委員会の役割、メディアの権利、国内避難民やウクライナの政党の選挙への参加が重要な条件である。この理解では、シュタインマイヤー・フォーミュラは、何らかの驚異ではない」と強調した。

同時に前外相は、ウクライナにとっての極めて深刻なリスクはそれでもあると指摘し、シュタインマイヤー・フォーミュラが「情勢解決の完全な計画」のようにウクライナに押し付けられるようなことは、決して受け入れてはならないと主張した。さらに前外相は、ロシア連邦は、OSCEによる選挙実施のための基準のコンセプトを「曖昧にしようとする」ことを警告し、例えば、原則的に重要な基準について、ロシアが「それはもはやさほど重要ではない」などと主張してくる危険を指摘した。

その上で、前外相は、ウクライナにとって重要な問題は、ORDLOにおける公正かつ民主的な選挙のためのしかるべき治安条件をどのように創出するかであり続けていると述べた。その上で、前外相は、ウクライナ前政権が、治安条件の創出のために国連の軍事・警察・文民ミッションを提案していたことを喚起した。前外相は、とりわけ、その提案の中で主要なものは、ORDLOを(編集注:ロシア武装集団やウクライナ政府が統治するのではない)「国際統治」することであったと指摘した。前外相は、「その他に、クリエイティブかつ効果的な決定が見いだせるのであれば、私はただ嬉しく思う」と指摘した。

クリムキン前外相は、被占領地を含むウクライナ全国統一地方選挙の実施につき、まっとうな案だとの見方を示した。同時に、前外相は、2020年の選挙の予定日までに被占領下ドンバス地方にてOSCEの基準とウクライナ国内法にのっとった選挙実施に不可欠な条件が創出をすることには、時間が足りないのではないかと疑問を呈した。

クリムキン前外相はまた、問題の法的側面に直目し、現行の地方選挙法はORDLOの現状の特殊性を考慮したものではなく、特に国内避難民(の選挙参加)問題が考慮されていないと指摘し、「ORDLOにおける選挙法適用の特殊性」に関する法律の採択が必要となると強調した。また、前外相は、独仏宇露4国のノルマンディ4国首脳会合にて、ロシアの提示する要件以外に、ウクライナ自らの要件も提案すべきだと指摘し、「本当に選挙に関係するシュタインマイヤー・フォーミュラに同意をしなければならないのであれば、ウクライナは、少なくともその選挙実施のための重要なパラメーターと治安面での前提条件を、誰にとっても明確かつ理解できる形で定めるべきであろう。私たちは、あらかじめウクライナ国内で(越えてはならない)レッドラインを定めなければならない。そして、私たち自らが主張する要件を用意することも必要だ。それがウクライナ領で行われる選挙だということを忘れてはならない」と発言した。

前外相は、ウクライナがそのような条件を定めれば、将来、ロシアが好む「別の解釈」を行う余地がはるかに少なくなるであろうと指摘した。


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