MH17撃墜事件の被害者親族、ツェマフ氏釈放に懸念
ウクルインフォルム
マレーシア航空機MH17撃墜事件で、親族3人を失い、現在オランダの「MH17航空機事件」基金の理事会メンバーをつとめるピット・プルーグ氏は、武装集団「DPR」の元戦闘員であるヴォロディーミル・ツェマフ容疑者が釈放されたことで、捜査が同氏から情報を得られなくなることを懸念している。
5日、プルーグ氏がオランダのパトロール紙にコメントした。
プルーグ氏は、「釈放後、彼(ツェマフ容疑者)はどこに行くのだろうか。私は、国際共同捜査チーム(JIT)がこの主要な容疑者へアクセスできなくなることを懸念している。同容疑者がオランダの裁判所に出廷しないという、大きなリスクが存在する。その出廷は、私たち皆が求めているものだ」と発言した。
また、オランダのステフ・ブロック外相は、ツェマフ容疑者釈放につき「多くの質問」があるとしつつ、同時にそれ以上のコメントは控えた。ブロック外相は、現在オランダはウクライナ側と緊密に連絡を取り合っていると補足した。
なお、これに先立ち、MH17撃墜事件を捜査しているJITは、釈放の報を受けて、ツェマフ容疑者は「捜査にとって興味深い人物」だとコメントしていた。
これに先立ち、9月5日、キーウ(キエフ)控訴裁判所は、武装集団「DPR」のスニージュネ市の元「対空防衛部隊指揮官」であり、MH17撃墜事件の証言者である、ヴォロディーミル・ツェマフ容疑者の未決囚予防措置を、拘束から特別義務の下での釈放に変更する判決を下した。
複数の報道機関は、ツェマフ容疑者は、ロシア連邦がウクライナに被拘束者交換リストに加えるよう求めていると報じていた。
写真: Serhii Nuzhnenko, RadioSvoboda.org (RFE/RL)