クリミア違法併合から5年:EUが宣言を発出
17日、欧州理事会ウェブサイトに、EUを代表するモゲリーニ欧州上級委員の宣言が公表された。
宣言には、「ロシア連邦によるクリミア自治共和国とセヴァストーポリ市の違法併合から5年経った今も、EUは、代わらずウクライナの主権と領土一体性を断固として支持している」と書かれている。
そして、EUは、ロシアによるこの国際法違反を認めず、非難し続けるとし、「クリミア併合は国際安全保障に対する直接的挑戦であり続けている」と強調された。
また、モゲリーニ上級委員には、EUは国連加盟国に対して、2014年に採択されたウクライナの領土一体性に関する国連総会決議第68/262に対応するクリミア併合不承認政策を審議するよう改めて呼びかけた。
同上級委員はまた、「ロシアによる国際法違反は、ケルチ海峡・アゾフ海における危険な緊張増大をもたらしている。2018年11月25日にロシアがウクライナに対して武力を行使したことは、クリミア半島の違法併合の地域の安定にとっての悪影響を思い出させるものである」と指摘した。
そして、EUは、ロシアが違法に拘束しているウクライナ海軍軍人と船舶を速やかに解放するよう、そして解放までは彼らの司法上の権利と領事機関へのアクセスを尊重するよう、また負傷者に適切な医療支援を提供するよう呼びかけた。
また、EUは、ロシアによるウクライナ側の同意のないケルチ橋の建設を非難するとともに、国際法にのっとったケルチ海峡を通じたアゾフ海への自由かつ障害のない通行を保障するよう求めた。
さらに、モゲリーニ上級委員は、ロシア連邦がクリミア半島で行う選挙は認めないことを喚起した。
また、EUは、改めてロシアに対し、オレフ・センツォフ映画監督、エデム・ベキロフ活動家、オレクサンドル・コリチェンコ活動家、ミコラ・セメナ、ヴォロディーミル・バールフ活動家、エミル=ウセイン・ククをはじめとするクリミア半島やロシアで国際法で拘束され、国際法に反して断罪されている人物を全て速やかに開放するよう要請した。