イェリチェンコ国連常駐代表、露が宇東部への平和ミッション派遣決定を妨害する理由を説明
ヴォロディーミル・イェリチェンコ・ウクライナ国連常駐代表が、ウクルインフォルムへのインタビュー時に述べた。
イェリチェンコ常駐代表は、「真の平和ミッションが業務を開始するためには、国連安全保障理事会の決定が必要となる。しかし、安全保障理事会がこのミッション派遣問題の審議を始めるためには、それより前に、ノルマンディ・フォーマット(ドイツ、フランス、ウクライナ、ロシアが参加する協議フォーマット)かミンスク・フォーマット(ウクライナ、欧州安全保障協力機構(OSCE)、ロシアが参加する協議フォーマット)で、少なくともミッションの概要について定められなければならない」と説明した。
同代表は、しかしながら、どちらのフォーマットでも、さらには、アメリカとロシアの間で行われている、ヴォルカー米国務省ウクライナ問題特別代表・スルコフ露大統領補佐官間のウクライナ問題協議の場でも、協議は袋小路に入り込んでしまっていると指摘し、その理由は、ロシア政権が、今年3月のウクライナの大統領選挙で親露的な大統領が選出されることを期待しているからであると説明した。
イェリチェンコ常駐代表は、「ロシアは、ウクライナの大統領選挙までは、何もしない。選挙後であれば何かをするか、ということも、私には大きな疑問があるが、まあそれはどうなるか見てみようではないか。ともあれ、ロシアは、全部状況を変えてくれるような、仮定の親露ウクライナ大統領の誕生を期待しているのである」と指摘した。
同時に、同代表は、ロシアの期待が実現するチャンスはないとし、その理由として、いかなる大統領選候補者も、ウクライナの現在の路線を変えることは不可能であるからと説明する。「誰もロシアに妥協はできない。なぜなら、今後大統領となる人間が運営するのは、過去のウクライナとは全く違うウクライナだからである。現在のウクライナは、大統領に路線を変更することをそもそも許さない。ロシアのクレムリンには、そのような期待があるのかもしれないが、その期待が現実のものとなるチャンスは存在しない」と同代表は指摘した。