EUのロシア発偽情報対策機関:2018年の偽ニュースの焦点はウクライナ問題に集中

EUのロシア発偽情報対策機関:2018年の偽ニュースの焦点はウクライナ問題に集中

ウクルインフォルム
欧州連合(EU)の偽情報対策機関は、2018年のロシア発偽情報キャンペーンの多くが、ウクライナ問題、ドンバス紛争やクリミア問題に集中していたと発表した。

27日、EU対外行動庁の創設した戦略的コミュニケーション作戦グループ「East Stratcom Task Force」の運営する「EUvs偽情報」が2018年の総括を報告した。

報告には、「ナラティブの観点からは、ロシアの偽情報キャンペーンは、引き続き、ウクライナ東部とクリミアに大きく焦点を当て続けていた」と書かれている。

クリミア・テーマの中で目立ったロシア発プロパガンダには、ウクライナ政府が120キロメートルの水路を、大陸側とクリミア半島側の間に設置して、ロシアの併合したクリミア半島を孤立させようとしている、というものが確認されたとのこと。ドンバス地方テーマに関するロシアのフェイク・ニュースの中には、ウクライナ軍が親露武装集団のコントロールする領域で1万人の人を殺害した、という嘘が見られた(編集注:実際には、国連機関の発表では、2014年以降の紛争全体で、政府管理側・ロシア武装集団支配側の軍人・民間人を合わせて1万人強の死者が出ている)。他には、アメリカからウクライナへ特殊部隊の指導官14名が訪れ、彼らがドンバス地方の水供給に毒を混入する手助けをすることになっている、というものもあった。その他、ロシアのマスメディアは、ウクライナがロシア話者住民に対する差別政策を継続しており、例えばウクライナにはロシア語学校が一つもない、などというフェイクが拡散されていた。

「EUvs偽情報」によれば、2018年にウクライナ問題以外にロシアのフェイク拡散アカウント、マスメディア、政権が好んで拡散したテーマは、北大西洋条約機構(NATO)、マレーシア航空機MH17撃墜事件、予防接種の危険に関するものであったとのこと。

2014年のウクライナ東部でのマレーシア航空機MH17撃墜事件に関して、ロシア外務省は、アメリカが当時の同航空機撃墜に関係する衛星写真を一切提供しなかったと述べたが、実際には、アメリカは事件の5日後には関連衛星写真を公開していた。また、過去数年と同様に、ロシアのマスメディアは、積極的にNATOの評判を落とす努力をしており、例えば、ドイツの空軍パイロット7名が「NATOの対ロシア軍事キャンペーン」に抗議して、ドイツ軍を立ち去った、というフェイクが確認された。

「EUvs偽情報」の分析者達は、2018年には新しい題材のロシア発偽情報も確認されたと説明する。「例えば、英国での元ロシア・スパイのセルゲイ・スクリパリとその娘への毒殺未遂に関して、大量の偽の主張や断罪を生み出された。『EUvs偽情報』は、スクリパリ親子殺害未遂に関係する20以上のナラティブを確認したが、中にはそのナラティブ同士が互いに矛盾しているものもあった」と報告されている。

分析者によれば、2018年は、ロシアのインターネット上のトロール(偽情報をソーシャル・メディア等で拡散するアカウント)の活動が活発化していることが確認されたとのこと。分析者は、その点で、ロシアのサンクトペテルブルク市にある通称「トロール工場」と言われる「インターネット分析エージェンシー」が2018年、オフィスを4000平方メートルのところからが、1万2000平方メートルのところに移動したことは、驚くに値しないことだと指摘している。

また、ロシアの「トロール達(偽情報等を拡散するソーシャル・メディア上のアカウント)」は、投稿時、ロシア語より英語の方を約9倍多く利用しているのだという。「2013年以降、ロシアは、アメリカの有権者に対するマニピュレーションに力を注ぎ続けている」と書かれている。

なお、2018年は、ロシアの偽情報に関する報告が増加したことにより、西側諸国の政府や機関が対抗策を取るようになったことが指摘された。例えば、アメリカでは、2016年の大統領選挙に対する介入につき、13名のロシア国民を断罪したし、その他のアメリカへのロシアの介入作戦の捜査が継続している。フランスでは、議会が、選挙時の「情報による操作」を止める法案を採択した。フランス政府の分析センターは、偽情報対策として50の勧告を発表。「国境なき記者団」は、ネット上の記者に対する脅迫に対抗するための25の勧告を発表している。ドイツでは、企業がヘイトや偽情報を含むメッセージを24時間以内に削除しなかった場合には、最大5000万ユーロの罰金の支払いを命じる厳しい法律が採択された。フィンランドでは、裁判所が、記者に対する追跡行為を行なった親露トロール・ユーザー複数名に対して、拘禁刑と高額の罰金を科す有罪判決を下した。これにより、フィンランドは、インターネット・トロール行為に対して司法的処分を行なった欧州での最初の国となった。

同時に、各国政府に対して多くのデータを提供するだけでなく、各企業も自らのプラットフォームでのオンライン・キャンペーンの影響を配乗するための手段を取り始めている。例えば、フェイスブック社は、「War Room(戦争部屋)」という名前で世界の選挙の際の偽情報対策を行う20名の専門家チームを設置。また、偽情報のコンテンツをコントロールする職員の数を約2倍、2万人にまで増員した。2018年5、6月には、ツイッター社は、7000万の疑わしいアカウントを削除している。


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