専門家のベケシキナ氏、来年の大統領選挙は「過去最も見通せない選挙」

専門家のベケシキナ氏、来年の大統領選挙は「過去最も見通せない選挙」

ウクルインフォルム
最近の世論調査の結果によれば、来年3月の大統領選挙は、これまでで最も見通しの立てづらい選挙となっている。

19日、社会情勢分析や世論調査を行う「民主イニシアティブ」基金のイリーナ・ベケシキナ総裁が、討論会「2019年ウクライナ大統領選挙の始まり」にて発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ベケシキナ総裁は、「私は、社会学者として言うが、これほどまでに見通しの立たない選挙はこれまでなかった。つまり、誰が決戦投票に行くのがわからないのである。社会学的研究を通じてわかることは、決戦投票へ行ける可能性のある人物の支持が非常に接近していることである」と発言した。

同総裁は、キーウ(キエフ)国際社会学研究所の12月発表の世論調査結果を提示しつつ、「どの機関が行った世論調査も」ユリヤ・ティモシェンコ祖国党党首(元首相)が最も支持率を得ていることを指摘した。同時に、「しかし、有権者全体における同候補の支持率は12%なのである。これは非常に少ないと思う。その他の潜在候補者は更に支持が少ない。2位は、ゼレンシキー(芸能人)で8%。以降、(ゼレンシキーと)ほぼ同じ支持率で、ポロシェンコ(大統領)、ボイコ(野党・生活党支持)、リャシュコ(急進党)、フリツェンコ(国民の意思党)が並んでいる」と発言した。

ベケシキナ氏は、ゼレンシキーについて、同氏が出馬しても決選投票にはいけないだろうとし、その理由として、彼に集まっている支持は、「抗議票」であり、支持者は主に若者であり、投票へ行かない層が多いと指摘した。さらに、「自分の選択にどれぐらい自信があるか」との問いには、その他候補者の支持者が50~60%の自信を見せているのに比べて、ゼレンシキー支持者は17%しか「自信がある」と答えなかったとのこと。その上で、ベケシキナ氏は、「ゼレンシキーの出馬は、彼の政党『人民奉仕党』を秋の議会選挙に参加させるためであり、(大富豪の)コロモイシキー氏が自陣営の人間を最高会議内に抱えるために行われるのであろう」と説明した(編集注:ゼレンシキー氏は、コロモイシキー氏所有テレビ局の人気タレント)。ベケシキナ氏は、『人民奉仕党』が2019年秋の最高会議選挙で、5%の閾(いき)値を越えて、議会内に議員を得る可能性はあると指摘した。

また、ベケシキナ氏は、秋の最高会議選挙にいずれかの政党に「招待」してもらうために、春の大統領選挙に出馬する「技術的候補者」が多く出馬するであろうと予想した。その際の問題点として、ベケシキナ氏は、それら「技術的候補者」がポピュリズム、有権者の買収、ロシアからの資金提供を利用する危険を指摘し、現時点ですでに、公共料金の値下げ、給料増額といった「公約オークション」のような状況や年金生活者への買収が確認されていると強調した。

ウクライナの選挙戦へのロシアの介入問題について、ベケシキナ氏は、「ロシアは、あらゆる手段で選挙に最大限介入してくるであろう。ロシアは、(野党・生活党支持の)ボイコ候補以外の、全ての候補者にとって不利な情報を用意・利用していくであろう。情報面以外にも、資金面の影響もありうる。現時点では、誰がボイコ候補や技術的候補に資金援助をしていくのか不明である。また、物理的な挑発行為、例えば、ロシアが裏で組織した、教会の占拠のようなことも起こるかもしれない。現大統領を非難するためである」と指摘した。

そして、最後にベケシキナ氏は、このようなリスクを踏まえた上で、重要なことは、社会が団結して、選挙戦の性質をこれまでとは違うものにし、ポピュリズムのレベルを下げること、各候補者の提案をよく分析し、彼らに適切な質問を投げかけていくことであると提言した。


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