欧州議会、ウクライナによる連合協定履行状況を評価

欧州議会、ウクライナによる連合協定履行状況を評価

ウクルインフォルム
欧州議会は、ウクライナ・EU連合協定において定められている諸改革の進展を肯定的に評価しつつ、さらなる努力を必要する分野も指摘した。

12日、ストラスブールの欧州議会で採択された、ウクライナとの連合協定の履行状況に関する決議に書かれている。同決議は、賛成433、反対105、保留30で採択された。

同決議には、「ウクライナは、エネルギー、保健、年金、国家ガバナンス、非中央集権化、国家調達、防衛・安全保障、銀行セクター、マクロ財政安定化の分野の改革で特別に評価しうる成果をもたらしている」と書かれている。

同時に、同決議には、これらの改革が価格の著しい上昇、社会保障の停止、社会保護システムへのアクセス困難化をともなっていることを指摘した。

また、「欧州議会は、連合協定がウクライナ・EU関係における最終目標ではないことを強調し、ウクライナの欧州願望(編集注:欧州統合への希求を指す)を歓迎する。また、欧州議会は、ウクライナが欧州関税同盟、エネルギー同盟、統一デジタル市場へと漸進的に接近することを含め、ウクライナ・EU間の協力深化の新しい形態が発展することを支持する」と記載されている。

加えて、同決議には、一時的被占領地においてウクライナ国民が違法に拘束される件数が増加していることへの議員の深い懸念が示されており、ロシア連邦に対して、サハロフ賞を受賞したオレフ・センツォフ映画監督をはじめ、違法に拘束される全てのウクライナ国民を即時解放せよとの要求が含まれた。

経済面では、欧州議会は、ウクライナの経済が安定してきたことと、EUとの深化した包括的自由貿易圏の履行に進展があることを歓迎するとともに、欧州委員会に対して、ウクライナ支援を継続するよう呼びかけている。

防衛分野では、「欧州議会は、ウクライナ軍、黒海・アゾフ海の海軍の近代化に向けてとられている方策を歓迎する。これらは、ウクライナの安定と領土一体性への強固な保証となるものである」と指摘した。

また、ウクライナや欧州各国での選挙にロシアが関与する可能性があることを指摘しつつ、ロシアのフェイク・ニュースやプロパガンダと闘うことが重要であることが強調された。

同時に、改革の中で問題が指摘された主な分野は、不十分な汚職との闘いや脱オリガルヒ(大富豪)改革(編集注:諸分野での極端に高いオリガルヒの違法・合法的な影響力を低減させるための諸方策)、民営化問題であった。

さらに、欧州議会は、現状の問題点として「過去の負の遺産、法制上の不明瞭さ、大量の相反する法律の存在、オリガルヒ側からの抵抗、その他の資産に対する関心、汚職、縁故主義、脆弱な国家機構、そして、連合協定の履行において明確なプロセスと調整機関が不十分であること、これらは、ウクライナの構造改革を阻害している」と強調した。

その上で、決議は、ウクライナの政権幹部に対して、前述の問題を連合協定と二者間義務にのっとって解決するよう呼びかけつつ、複数の改革を進めるにあたっての欧州議会の見解を複数提示した。その中には、電子資産申告の提出義務対象者から民間の活動家を外すこと、検事総局の完全な独立を確保すること、迅速に高等反汚職裁判所を設置し、その効果的な運用を保障することが含まれている。

ロシアとの関係に関しては、同決議は、ロシアによるアゾフ海とケルチ海峡での船舶航行の妨害を根拠とした対露制裁の発動を支持するとともに、EU加盟国に対して、アゾフ海のロシアの船舶を自国の港に入れないよう呼びかけている。具体的には、「欧州議会は、加盟国に対し、ロシアがケルチ海峡とアゾフ海の航行の自由を回復するまで、アゾフ海から来るロシアの船舶をEU内の港から遮断するよう呼びかける」と書かれている。この箇所は、欧州議会の最大グループである欧州人民党が加えたものであり、ミハエル・ガーラー議員が発表したものであった。

欧州議会はまた、同決議において、11月25日のケルチ海峡におけるロシアによるウクライナに対する意図的な攻撃を非難し、ロシアにウクライナの艦船と捕虜とみなされるべき海軍軍人の速やかな無条件解放を要求した。

また、同決議は、欧州安全保障協力機構(OSCE)特別監視団(SMM)のマンデートをアゾフ海地域に拡大することを呼びかけている。


Let’s get started read our news at facebook messenger > > > Click here for subscribe

トピック

ウクルインフォルム

インターネット上の全ての掲載物の引用・使用に際しては、検索システムに対してオープンであり、ukrinform.jpの第一段落より上部へのハイパーリンクが義務付けてられています。また、外国報道機関の記事の翻訳を引用する場合は、ukrinform.jp及びその外国報道機関のウェブサイトにハイパーリンクを貼り付ける場合のみ可能です。「宣伝」のマークあるいは免責事項のある記事については、該当記事は1996年7月3日付第270/96-BPウクライナ法「宣伝」法第9条3項及び2023年3月31日付第2849ー9ウクライナ法「メディア」の該当部分に従った上で、合意/会計を根拠に掲載されています。

© 2015-2024 Ukrinform. All rights reserved.

Website design Studio Laconica

詳細検索詳細検索を隠す
期間別:
-