ポロシェンコ大統領、宇正教会モスクワ聖庁総主教に海軍軍人解放への協力を要請
9日、大統領府公式サイトにおいて、大統領の発言が公表された。
ポロシェンコ大統領は、「昨日とおととい、私は、ウクライナ正教会モスクワ聖庁のオヌーフリー総主教と対話を持った。私は、彼に、(編集注:ウクライナ海軍軍人等を)帰還させるべく、教会の繋がりを用いた必要な方策をとるため、速やかにモスクワと連絡するよう要請した。私は、ウクライナ軍人を帰還させるためにならどのような可能性も使っていく」と強調した。
また、ポロシェンコ大統領は、ウクライナ艦船が攻撃を受けたとの情報を受けた直後に、「ロシア軍の行為の説明を受けるべく」ロシアのプーチン大統領との対話を要請したが、回答は得られなかったとし、「プーチンは対話を避けている」と指摘した。
そして、ポロシェンコ大統領は、その後、ストルテンベルク北大西洋条約機構(NATO)事務総長、メルケル独首相、ポンペイ米国務省長官、エルドアン・トルコ大統領といった、世界のリーダーや首脳と連絡したことを指摘した。
加えて、大統領は、ジュネーヴ条約によれば拘束されたウクライナ海軍軍人は戦争捕虜となるため、いかなるロシアの裁判所もこのウクライナ軍人を裁くことはできないと強調し、「彼らはすみやかに解放されなければならない。そうでなければ、ロシアの責任が問われることになる」と発言した。
同時に大統領は、ウクライナが、だ捕された艦船の即時解放、ケルチ海峡とアゾフ海の開放、アゾフ海の部分的占領の停止を要求していることを強調した。
これまでの報道にあるように、11月25日、ロシア連邦の国境警備船が、オデーサからマリウポリへ向かっていたウクライナの艦船3隻に対し激突や砲撃などの攻撃的行為をとった。その後、ロシア特殊任務部隊がこの3隻(ベルジャンシク、ニコポリ、ヤニ・カプ)をだ捕した。ウクライナ海軍の情報では、この3隻に乗っていた24名のウクライナ軍人全てが拘束された。
また、拘束された軍人のうち、21名はモスクワの拘置所「レフォルトヴォ」へ移送、3名は病院「マトロスカヤ・ティシナ」へ運ばれたことが判明している。