OSCE監視員、ウクライナ東部の「偽選挙」当日、投票所付近で武装した戦闘員を確認
12日に発表された、OSCE・SMM緊急報告書「ドネツィク・ルハンシク両州ウクライナ政府によるコントロールのない地域におけるいわゆる『選挙』当日の治安情勢の監視報告」にて、報告されている。
報告書には、「11月11日、非政府管理地域ドネツィク市において、SMM要員は、市内中心部の複数の場所にて、武装集団構成員のプレゼンスが若干高まっていることを確認した。SMM要員は、『選挙投票所』と書かれたパネルのある建物を見かけた。ほとんどのこのような建物の周りには、2〜4名の自動小銃を所有して完全に武装した人物が立っていた。SMM要員は、その近辺にて、市場にて利用されているのと似たような売店も観察した」と書かれている。
また、SMMは、携帯電話通信(Vodafoneとフェニクス)が一定時間途絶えていたことも報告した。
OSCEはまた地元住民の聞き取り調査の結果として、「両州の非政府管理地域にて、SMMが民間人と対話したところ、彼らの中には、『投票』すると、後で政府管理地域へ移動する際に問題が生じるのではないかと懸念を表明する者がいた。他には、人々は、『投票』しなければ非政府管理地域において給料の支払いでトラブルが起きたり、医療サービスを受ける際に問題が生じたりする可能性があり、そのため強制的に『投票』させられていると感じている、と述べる者も複数いた」と報告している。
これまでの報道にあるように、11月11日、ドネツィク・ルハンシク両州被占領地域において、ロシア占領政権が「選挙」を実施した。
この偽選挙実施計画は、すでにアメリカ、EU加盟国、日本、カナダ、NATO、OSCEなどにより非難されている。
なお、OSCE常任理事会は、ウクライナ代表団の要請を受け、12日に緊急会合を開催し、ロシアにより占領されているドンバス地域での偽選挙について議論することになっている。