ホルブーリン前戦略研究所所長、ロシアのウクライナにおける隠された目的を説明
7日、ヴォロディーミル・ホルブーリン大統領補佐官(前戦略研究所所長(2014~18)、国家科学アカデミー所属)が国際会議「ハイブリッドの10年の教訓」で発表した。
ホルブーリン氏は、「この戦争は、ロシア現政権が続く限り、決して終わることはないであろう。政権交代がなければ、この戦争が終わるという確証は得られない」と指摘した。
まだ、ホルブーリン氏は、発表の際に、現在のハイブリッド戦争の特徴について、「ハイブリッド侵略とは、戦争と平和の境界線を取り払うものである。不明瞭さが、この手の戦争の基本的な特徴である。誰が誰と戦っているかがわかりにくく、侵略国は、ウクライナであたかも『内戦』が起きているだとか、あるいは、ロシアはウクライナでアメリカと戦っているのだとかいう、独自のレトリックを用いることで、この不確かさを高めているのである。しかしながら、これらはすべて、『ロシアはウクライナと戦闘をしている』という重要命題を覆い隠すために行われているのである」と強調した。
同氏は、侵略国というのは通常、戦争を始める際、明確な目的を持ちつつ、同時に華やかなレトリックを用いてその目的を覆い隠すものであると指摘した。その例として、同氏は、ウクライナとロシアの間では「ロシア語話者の保護のため」というレトリックが用いられたが、実際には「誰から保護するのか」ということが不明であると説明した。同氏は、同様に不明なレトリックとして「歴史的国境の復活」であるとか、「ロシア世界の保護」というレトリックを挙げ、その上で、「これらは全て、真の侵略目的を隠すために用いられている」と指摘した。ホルブーリン氏は、ロシアの侵略目的の1つは国としてのウクライナを破滅させることであり、2つ目はロシアを世界的な政治的リーダーの座に回帰させることであると主張した。同氏は、「私は、ロシア連邦が自らの復讐的政策を維持し続ける以上は、同国は、ウクライナにとっての侵略国というだけでなく、世界の安全保障環境にとっての主要な『雷管』であり続けるのだと考えている」と強調した。