露拘束の政治囚バールフ氏、収容所への移送中の間ハンガー・ストライキを一時停止

露拘束の政治囚バールフ氏、収容所への移送中の間ハンガー・ストライキを一時停止

ウクルインフォルム
ロシアに拘束されるウクライナ人政治囚、ヴォロディーミル・バールフ氏は、収容所への移送中の間だけハンガー・ストライキを停止し、拘禁刑執行の場所で再開することを決めた。

9日、キーウ(キエフ)市において、クリメント・ウクライナ正教会キーウ聖庁シンフェローポリ・クリミア大司教の記者会見において、同大司教が発表したバールフ氏からウクライナ国民に対する呼びかけの中で明らかとなった。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

大司教が読み上げたバールフ氏の呼びかけは、以下のとおり。「占領国の懲罰システムの中にでも、まともな意識の炎、あるいは名誉を細々とでも保つためのわずかな場所を見つけるため、最後のチャンスを利用して、私は、ハンガー・ストライキを停止することを決めた。引き続き、この矛盾ある場所で自らを保とうと思うが、しかし、そのために何でもするわけでは決してない。それは、マイダンにおいて天国の戦士達が命を賭して防衛した、民族の名誉と尊厳に関わることであり、それは私という個別の命よりも価値の高いものである。まさにそのために、私は、占領者の手から食事をとることを自らに許さないのである。」

また、このバールフ氏の呼びかけには、自らの決定のあり得る否定的結末については理解しているとし、自らが物理的あるいは心理的に死亡した際には、遺体は被占領地ではないところに連れ出して欲しい、自分のこの最後の意思を実行して欲しいとの願いが書かれている。その上で、バールフ氏は、「遺体の埋葬地は、親族に選ばせる。私は、キーウ市近くのドニプロ川沿いの村を望む」と述べた。

クリメント大司教は、10月8日にバールフ氏に面会した際、同氏の容態は極めて悪く、非常に弱っており、顔色も黄色ですらなく、灰色に近く、肌も非常に乾いていたと述べた。その上で、同大司教は、バールフ氏は意識的に自らの決断を下したのであり、その道がどのように終わるかはわからないと強調した。加えて、同大司教は、人権保護に従事する人々は、同氏の解放への希望を捨てていないことを指摘した。

大司教は、9日朝にバールフ氏の弁護士であるジンゼ氏と面会したと述べ、同ジンゼ氏は期限前解放を要請するための文書を準備しているとし、バールフ氏とキーウ市で会えることを期待していると発言した。

これまでの報道では、10月3日、ロシアによる被占領下にあるクリミアの「最高裁判所」において、ヴォロディーミル・バールフ氏に対する4年11か月の拘禁刑が最終的に下された。

バールフ氏は、クリミアにおいて、1年10月拘束されている。キーウでマイダンの出来事があった時、彼はクリミアのスリブリャンカ村の自分の家にウクライナの国旗を掲げていた。クリミアが占領された後もバールフ氏はその国旗を降ろさなかったが、そのことでロシアが彼を迫害し始めた。2015年4月3日、バールフ氏の自宅に違法な家宅捜索が入り、その際、彼の家からウクライナ国旗が外されることとなった。

ロシア連邦保安庁(FSB)は、2016年12月8日にバールフ氏を拘束した。FSB職員は、バールフ氏自宅から、90の弾丸といくらかの火薬を見つけたと述べていた。クリミアの「裁判所」は、バールフ氏を二つの刑事捜査の判決として最大5年の勾留と1万ルーブルの罰金を命じた。バールフ氏は、彼に対する刑事捜査は政治的動機によるものだと発言した。

バールフ氏は、3月19日の時点で、偽の捜査に対する抗議として、ハンガー・ストライキの開始を宣言していた。

現在、ロシアと併合下クリミアにおいて、70名近くのウクライナ国民が拘束されている。その中には、ロシアがスパイの罪で12年間の厳格収容所拘禁を言い渡したウクルインフォルム通信の記者ロマン・スシチェンコ氏も含まれる。


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