オリヴァー・ローデ先住民族人権保護専門家
ロシアが実際に行っていることは、先住民族の権利の保障とは正反対のことである
25.09.2018 17:24 128

​オリヴァー・ローデ(Oliver Loode)氏は、人権と先住民族・マイノリティー発展の分野に特化した専門家である。2014~2016年、ローデ氏は、国際連合先住民族問題常任フォーラムのメンバーであった。同氏は、ポッドキャスト放送「先住民族アワー」という番組を持っている。雑誌「クリミア・インフォルム」は、ローデ氏と、ウクライナの人権について、人権をどのように保護すべきか、クリミアが占領されていることで、人権分野でどのような問題が生じているかにつき話をした。

オリヴァーさん、先住民族と他の民族は何が異なるのでしょうか。そして、ウクライナは先住民族をどのように保護していますか。

世界の先住民族の人口は、4億人です。2014年のロシアによるクリミア占領後、ウクライナは、自国の先住民族として、クリミア・タタール人、クリムチャク人、カライム人を定めました。その後、ウクライナは、2007年に初めて採択された「先住民族の権利に関する国際連合(国連)宣言」に加わりました。なお、2007年時点では、ウクライナは、同宣言の支持を保留していました。ウクライナは、この宣言に参加したことで、世界と自国民に対して、この宣言を支持し、実現する義務を負いました。私は、先住民族を抱く全ての国は、彼らの権利の遵守を、他の国民の権利と同様に、保障する義務があると思っています。先住民族は、集団権を保持している点で、それを有さない人々、例えば、マイノリティーの人々と異なります。そして、もう一つの先住民族の重要な権利は、自決権です。

他の国では、自決権の行使に関してどのような実践が行われていますか。

理想的なサンプルというものは存在しません。しかし、世界には、ウクライナが参考にできる、参考にしなければいけない経験が存在します。私は、よくグリーンランドの例をあげます。また、ウクライナにとってより受け入れやすいのは、フィンランドとノルウェーにおけるサーミ人達の自民族機構、具体的にはサーミ人の議会の運営と発展の方法です。フィンランドとノルウェーの国家は、サーミ人を先住民族に認定しており、彼らの議会をサポートし、彼らと協力し、対話を行っています。対話は、必ずしもいつも問題なく円滑に進むわけではなく、国家と先住民族の間には困難な問題もあるのですが、しかし、少なくとも国家はサーミ人を然るべき権利とともに先住民族と認めているのです。

私は、ウクライナが国連の同宣言を支持した現在、同国がその原則とアイデアを実現することが非常に重要だと思っています。今日ウクライナの先住民族の故郷は占領されており、彼らの権利保障が制限されている中で、私は、ウクライナが非常に困難な状況にあることを理解しています。他方で、それでもウクライナは、いくらかのことを実行することが可能です。自らができることを実行することで、ウクライナは、先住民族関係の義務に真剣に向き合っているというシグナルを世界に対して送ることができるのです。

サーミ人の例について、より詳細に聞かせてもらえますか。彼らは何を得たのでしょうか。そして、その経験から、ウクライナでは何が行えるでしょうか。

全ては、彼らの代表機関を承認することから始まります。サーミ人の場合は、サーミ議会です。この議会は、国家が予算を割り当てていますが、決定や決議の点ではこの議会は独立しています。各国のサーミ議会の権限は、国によって異なります。フィンランドでは、サーミ議会は文化自治と言語問題に関する権限を有していますが、ノルウェーでは、サーミ人の伝統的な土地や天然資源の活用の問題を決めるという、より大きな権利が与えられています。通常、サーミ人の伝統的土地の活用に関する決定が採択される場合に、サーミ人が決定プロセスに参加することになっています。ノルウェーの例をウクライナに適用することは、彼らの土地が現在外国に占領されていることから、極めて困難でしょう。しかし、国家が先住民族代表機関に財政支出をするという点では、適切な例です。

2016年、ロシアでは、クリミア・タタール人のために、民族文化自治が創設されると発表されました。あなたは、このイニシアティブをどう考えていますか。

ロシアが実際に行っていることは、権利の保障とは正反対のことです。ロシアは、クリミア・タタール民族代表機関「メジュリス」を禁止し、それによりクリミア・タタール人が自らの代表機関を持つ権利を剥奪しました。メジュリスは、民主的に選出された先住民族代表機関であり、自らをそのように位置づけ、ほとんどの世界でそのように認められていた機関です。そして、先住民族の代表機関とは、彼らが自らの集団的権利を実現するための手段なのです。そうでない別のアプローチ、すなわち、国家が何らかの別の機構を作り、国家がその機構の代表者を選別し、任命し、国家が関与しようとするというアプローチは、国連の宣言の精神に完全に反しています。2007年、ロシアは、この国連の宣言への支持を、当時のウクライナ同様、保留しました。しかし、重要な違いは、ウクライナが自らの視点を変えたことです。ウクライナは、国連の宣言を遵守する方向に近づいていますが、ロシアは、先住民族をはじめとする民族グループに対する、旧来的で、植民地的、帝国的な軽視の慣習をまったく止めていないのです。

国際社会は、ウクライナ、ウクライナの先住民族、クリミアをどのようにして助けることができますか。

私は、ウクライナが先住民族の権利に関する国連宣言を採択したことは、ウクライナが選択した道を示しており、先住民族の権利を含め、人権に関して、世界的コンセンサスに加わったことを示していると考えています。ウクライナは、ここから一定の現実的な利益を得ることができます。可能性の一つは、国連が有す先住民族に関係する3つの国際メカニズムに密接にコミットできることです。3つのメカニズムというのは、先住民族問題国連フォーラム、先住民族問題専門メカニズム、先住民族権利問題特別報告者のことです。2014年までは、ウクライナは、これらの国連メカニズムに、ほぼまったく関心を割いていませんでした。しかし、それ以降、関心は高まっています。ウクライナは、先住民族権利問題特別報告者であるヴィクトリア・タウリ=コルプスさんを招待し、彼女がウクライナ国内の先住民族の権利評価のために近々ウクライナに訪問するという、非常に良い機会を得ています。もしかしたら、彼女のウクライナ訪問の際、彼女が被占領下クリミアを訪問するということもあり得るかもしれません。私は、国際社会の注意をクリミアの先住民族の置かれた状況に向けること、特に、クリミアの占領で苦しんでいる人々により多くの注意を向けることが重要だと考えています。

クリミア・インフォルム

写真:シャムキン・ダニール

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