ヴォルカー米国特別代表、ドンバス紛争の評価を述べる
カート・ヴォルカー・アメリカ国務省ウクライナ問題担当特別代表が、ロシアの「モスクワのこだま」通信へのインタビューにおいて、アレクセイ・ヴェネジクトフ編集長の質問に答える形で発言した。
ヴォルカー特別代表は、「(ドンバス地方は)ウクライナの発展した地域であった。同地の人口は、450万人近くあった。多くの著名な政治家、経済人、文化活動家がこの地域と関係があった。しかし、ロシアの介入の結果、現在、この地は占領されており、1万人以上が亡くなった。この数は、欧州の戦争の被害者数としては、バルカン戦争、ボスニア戦争以降、最大の数である」と述べた。
また、同特別代表は、この紛争の結果、150万人以上の人が、自らの居住地を離れなければならなくなったことを喚起し、「欧州の戦争の結果の避難民としては、第二次世界大戦以降、最大の数である」と指摘した。
その上で、同特別代表は、「私達は、何よりウクライナの全ての国民の安全をサポートしており、これらの人々が再び普通の生活を送れるようになることを望んでいる。また、第二に、私達は、法を支持している。アメリカも欧州諸国もロシアも義務づけられているものとしては、ヘルシンキ合意(編集注:全欧安全保障協力会議の最終合意文書のこと)等があり、私たちには、力による国境の変更を看過しないという原則がある」と説明した。
そして、ヴォルカー特別代表は、アメリカが全ての国の主権と領土一体性を尊重するという原則と、それぞれの国の自らの安全保障や政治、経済のシステムを選択する自由を防衛していることを喚起し、「これは、アメリカとロシアが欧州各国とともに、ヘルシンキ最終合意文書と北大西洋条約機構(NATO)・ロシア基本文書で確定した原則である。そのため、私達は、原則が遵守されることに関心を持っているのであり、そのため、私たちは、人道面、安全保障面、司法面で、ウクライナの平和が回復されることに直接関心を持っているのである」と説明した。