大統領選挙:民主主義の実現

大統領選挙:民主主義の実現

ウクルインフォルム
暫定的結果によれば、ウクライナの次期大統領は、ヴォロディーミル・ゼレンシキー氏となる。ウクライナ国民は、意識的に、自由かつ民主的に大統領を選んだのだ。

出口調査の結果では、2019年大統領選挙の決選投票では、73%がTVタレントのヴォロディーミル・ゼレンシキー氏を支持した。現職のペトロ・ポロシェンコ大統領を支持したのは25%であった。同日の投票率は62.8%。この数字は、第一回投票時よりも若干少なかった。

ゼレンシキー氏は、投票所閉鎖後の最初の出口調査の結果が発表されると、ウクライナ国民と家族たちにサポートにつき感謝を伝えた。同氏は、「私を支持したウクライナ国民と、他の選択をしたウクライナ国民に感謝する。私は、あなたたちを裏切らないと誓う」と発言した。

ポロシェンコ氏は、国民の意思を受け入れ、対抗候補の勝利を祝福した。中央選挙管理委員会の結果発表を待たずに、出口調査の結果発表直後に相手を祝福するのは、非常にヨーロッパ的である。民主主義が発展している国々では、過去何十年にもわたりこのような習慣があり、まさにこのような行動により、競い合った対抗候補の間だけでなく、それぞれの支持者の間に、「橋が架かる」のである。

ポロシェンコ氏は、外国の記者団に対して呼びかけた際、「ウクライナの選挙に対して大きな注意を向けてくれてありがとう。私は、選挙が自由で、公正かつ民主的に行われたことを非常にうれしく思う。ウクライナが民主的選挙のさらに高い基準を実現したことに、疑いはない。私は、ウクライナ国民の意思を受け入れる」と発言した。

また同氏は、新たな大統領がウクライナの国益に適う決定、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)に近づくための決定をする際に、同大統領を支える準備があると述べた。同時に、同氏は、新大統領は強力な野党勢力を有することになるとも発言した。これに対して、ゼレンシキー氏は、「ポロシェンコ氏は、私に必要が生じた際の支援を提案した。私は彼に必ず電話する。それの何がいけないだろうか」と答えた。

中央選挙管理委員会のナターリヤ・ベルナツィカ書記は、同委員会には、選挙プロセスに関するクレームは一切届いていないと述べた。セルヒー・ヤロヴィー内務次官は、治安機関側からも決選投票時に大規模な違反は確認していないと指摘した。

小規模な違反は、しかしながら、あった。複数の投票所では、投票箱に紙くずが入れられるケースや、投票用紙を投票所外に持ち出そうとする試みが見られた。さらには、投票用紙を飲み込もうとする者(!)や、破ろうとしたり、記入済み投票用紙を公開したりする者がいた。ところで、ゼレンシキー氏本人も記入済み投票用紙を記者団のカメラに見せて、それにより行政違反の調書が作成される場面もあった。なお、同様の違反を、フリーブ・プリフノウ・ドニプロペトロウシク州行政府長官も犯した。

中央選管は、概ね、投票プロセスの際の治安は然るべき水準だったと指摘した。リュドミラ・デニーソヴァ最高会議(国会)人権オンブズマンは、選挙権侵害についての報告件数は、第一回投票と比べて減少していたことを伝えた。同オンブズマンはまた、統一部隊作戦圏の軍人が投票する特別投票所においても違反は確認されなかったと述べた。

西側諸国のコメンテーターも、選挙は基準にのっとって行われたことを強調した。元駐ウクライナ米国大使のスティーブン・パイファー氏は、自身のツイッター・アカウントに、「ウクライナは今日、改めて、自らの民主的資質を立証した。同国は、西側の支持を受けるに値する」と書き込んだ。

私達は、今回の大統領選挙はアメリカ大統領選挙をいくらか髣髴とさせると、堂々と言えるであろう。私たちは、この困難な道を歩き切った。この極めて緊迫した競争においての主な達成は、選挙が公正であったことにある。選挙は、汚くはあったが、公正であったのだ。そのことが、これからの進化にとって極めて重要なのである。覚えおかねばならないことは、成功は一つでは完結せず、敗北は一つでは致命的とはならない、ということである。強固で欧州的で自由で民主的なウクライナの道を進み続ける勇気と熱心さにこそ意味がある。なぜなら、この道に失敗し、西側パートナー国の支持が止まり、敵に降服、あるいは類似の悲劇を引き起こすことは、代償としてはあまりに高すぎるからだ。人々が、選挙の勝者に、自らと国の未来にとっての脅威を見ることを止めたときにはじめて、真の勝利が生じるのである。

マリーナ・ネチポレンコ、キーウ


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