44人の大統領選挙候補者の存在自体が持つ、国民にとってのメリット

44人の大統領選挙候補者の存在自体が持つ、国民にとってのメリット

ウクルインフォルム
「勝ち目のない」大統領選挙候補者たちは、各々がそれぞれのゲームを行っている。そして、そこから利益を得るのは、実は、私たち国民である。

2月8日、中央選挙管理委員会は、3月31日の大統領選挙へ出馬する候補者登録プロセスを終了した。

申請をした92人の人物のうち、44名が候補者として登録された。このうち24名が政党推薦者であり、7名が政治・市民団体の代表者であるが、無所属候補として書類を提出した者であり、残りの13名が実際に無所属の候補者である。

選挙問題を専門とする市民団体「オポーラ」の統計調査によれば、この候補者のうち16名が最高会議(国会)議員、7名が市民活動家、5名がビジネス関係者、5名が行政関係者であり、4名が教育・学術関係者、2名が政党関係者、2名がジャーナリスト、残りの4名が「その他」に該当する者である。

また、7名が60歳以上で、最も高齢なのはオレクサンドル・モローズ氏であり、第二次世界大戦時に生まれた人物である。11名が最初の身分証明書を受け取ったのがソ連政権からではなく、独立ウクライナ政権からであり、最も若いのはヴィクトル・クリヴェンコ氏で、ウクライナ独立の際は9歳であった人物である。

ジェンダーのバランスの悪さはひどいもので、10:1(男性:女性)である。

記録的な数の候補者が登録されたことで、選挙区選挙委員会と投票所選挙委員会の数も増える可能性がある。中央選挙管理委員会委員長は、「仮に候補者全員が、『各選挙委員会に自らの代表者を送れる』という権利を行使した場合、委員の総数は約131万1000人となる」と説明した。

中央選挙管理委員会は、候補者を25人として選挙費用を計算していたが、費用を995万フリヴニャの追加を決定を下した。この候補者全員を投票用紙に掲載するのも大変である。

4つのグループ

これほどの候補者になると、人目で全体を把握することはできない。スポーツであれば、トーナメント参加者が多い場合、一回戦目で強者同士が当たられないように、グループ分けをするものであるが、大統領選挙はトーナメント制や、準々決勝のようなものは想定されていない。しかし、候補者をグループ分けすることは、誰も禁止していない。

第1グループは、実際に高い結果を得て、大統領に選出される、ないしは決戦投票に出られる可能性がある人物が集められよう。このグループに入るのは、主に長い歴史のある政党や多くの有権者を抱える地域機構の代表者となる。これには、ポロシェンコ(現大統領)、ティモシェンコ(祖国党党首)、リャシュコ(急進党党首)、コシュリンシキー(自由(スヴォボーダ)党推薦)、サドヴィー(自助党党首、リヴィウ市長)、フリツェンコ(国民の立場党党首)、ボイコ(「野党プラットフォーム・生活のため」推薦)、ヴィルクル(野党ブロック党党首)、ボンダール(ウダール党推薦)が入る。

これの正反対のグループが第4グループ、偶発的人物からなるグループである。彼らの選挙での課題は様々であるが、確実に、宣言的な「憲法の保証者」「最高司令官」となることとは別の課題である(あるいは、長期的な政治プロジェクトのために有権者を利用しているとは言えるかもしれない)。筆者の考えでは、このグループに入るのは、ペトロウ、ナシーロフ(前国家財政庁長官)、第2のティモシェンコ(男性)、リトヴィネンコ、キヴァ(社会党党首)、ジュラウリョウ、ソロヴョウ、リホヴァノウ、シェウチェンコ.I(元環境天然資源相)、そして、疑問こそあるが、「国民奉仕」をうたうゼレンシキー(TVタレント)も多分このグループであろう。

第1と第4の間にある2つのグループは、確かに政治家だが第1グループのリーダー政治家より支持率が低い者達である。彼らは、政治団体や市民団体を率いている、あるいは、大規模で長期的なプロジェクトを主導している、あるいは、実際的な分野での経験を有す者たちで、彼らは自身にとってのビジネス上、経済面、司法面、医療面での問題を解決するために政界へ向かう者たちである。

さて、第2のグループだが、ここには経験のある政治家であるが、新しいことを受け止める能力が他者より低い候補者であり、自然と、主に、年齢の高い候補者が入る。モローズ(元最高会議議長)、カルマジン、ベズスメルトニー(元三者コンタクト・グループ政治問題作業部会ウクライナ代表)、ボホスロウシカ、タルータ(元ドネツィク州行政府長官、最高会議議員)ボホモレツ(最高会議議員)、ヴァシチェンコ、ナリヴァイチェンコ(元保安庁長官)、スメシュコ、ハベル、バラショウが該当しよう。

第3のグループは、反対に、経験は浅いが、潜在力があり、年齢も若い者達である。このグループには、クリヴェンコ(国民ルーフ党推薦)、クリヴォノス、ムラーイェウ(私達党党首)、カプリン(最高会議議員、社会民主党党首)、クプリー、ダニリューク、ドブロドモウ(人民管理党党首)、デレウヤンコ(自由党(ヴォーリャ)党首)、フナープ(人力党推薦)、ノセンコ、ノヴァク、スコツィク、シェウチェンコ.Oが入る。

概して、ある国の政治の質が一人、二人のリーダーの存在で定められるのではなく、数十人の強力な政治家の存在によって定められるのだという点から考えれば、このグループ分けから見える全体像は、肯定的印象をもたらすと言えよう。

これらの人物について、より詳細に知るべきか?

というのも、圧倒的多数は、大統領への選出の現実的な候補者ではないからである。ただ、これら全員について注意深く接する必要があると言える、二つの大きな理由はある。

まず、世論調査結果でもわかるように、トップ候補者の支持率が非常に接近していることである。また、出馬数が多いことから、第一回投票の際の票が多くの候補者に「拡散」することになる。そして、そうすると、これらの拡散した票は、決選投票の際に決定的な意味を持ちかねないのである。つまり、前述の全ての政治家が、選挙運動を開始した時点で既に、0.5%程度の有権者からの支持を得ている可能性があり、彼らは投票日までにこの数字を最低でも1~2%ぐらいにまで伸ばそうとするであろう。そして、この票が、政治合意において意味を持つのである。

次に、この44名の候補者のうちの多くが、秋の最高会議(国会)選挙の、個人あるいは、政党代表としての、議員候補者でもある。そして、ウクライナは、憲法上、議会・大統領制共和国であり、議会が多くの権限を持っている。つまり、議会に進出する政治勢力は、大統領の活動に修正を加えられるのである。前述の政治家、少なくとも、注意を向ける意味のある政治家は、大統領選挙運動の期間をプラグマティックに利用しようとしている。つまり、この期間に、自らの影響力を高め、支持率を高め、地方組織を作り出し、強化し、他の政党と同盟を組み、幅広い繋がりを作り上げ、市民団体、労働組合、商工会、市民社会リーダーとの活動調整を行う、というわけである。

そうすると、世論調査結果の中で、ある候補者の大統領に選出されないような低い支持率を見たとしても、冷やかし笑いをしよう等という考えは出てこなくなるのである。彼らの数字は、ホームワークをこなし、最高会議選挙で選出されるには、十分なのである。

大切なことは、これにより得をするのは、これら政治家個人だけではなく、市民社会全体も得をするということである。なぜなら、20~30の政治勢力が政権を目指して活動するというのは、実はそれこそが、ウクライナがこれまでオリガルヒ・モデル(編集注:少数の大富豪が政治に多大な影響力を持つ政治モデル)からは得ることのなかった、「真の政治」なのである。今は、その政治が最終的に定着するチャンスなのである。

オレクサンドル・ヴォリンシキー


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