ゼレンシキー宇大統領、賠償借款の用途について「プランAとプランBがある」
ゼレンシキー大統領が15日のベルリンでの会合後の記者団とのやりとりの際、記者からの質問に答える形で発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「今日、賠償借款、ないしはロシア凍結資産の総額、1500億ドルから2000億、2100億ドル、それを念頭に置いたあらゆるフォーマットは、ゲームチェンジャーだ。それはウクライナにとって財政面の安全の保証となる。残念ながら、私たちはプランBについても考えなければならない。プランAは戦争の終結だ。プランBはロシアの侵略の継続だ。もしプランBとなり、ロシアの侵略が続くなら(中略)、私たちは年間少なくとも400億〜450億ユーロの財政援助を期待する。つまり、その賠償借款のトランシェをだ」と発言した。
また同氏は、戦争中、それらの資金は軍隊、防衛部門の支援(武器、防空)、財政面の需要に使用されることになると説明した。
同時に同氏は、戦争がなくなれば、それらの資金はウクライナの復興とマクロ財政安定化への注入に向けられると述べた。
そして同氏は、「想像して欲しい。戦争がなくなった上での年間450億ユーロというのは、ウクライナのマクロ財政安定化、私たちの復興、『極めて重要なこと』への非常に深刻な注入となるが、その時はもう支援の話ではなく、復旧の話となるのだ」と述べた。
同氏はさらに、これらの資金はいずれにせよ安全の保証の一部となると強調した。その際同氏は、「それがNATOの第5条や兵器と同様に、私たちの安全の保証の一部となることは間違いない」と述べた。
その他同氏は、賠償借款に問題が生じる場合に向けて、ウクライナは「代替的な手段」も期待していると発言した。同氏はその点につき、「おそらくそれらは最も複雑だが、私たちは欧州連合(EU)と、フォンデアライエン氏、コスタ氏らのEUトップと、彼らが同規模の代替を探すことにつき話し合っている。それがなければどうなるか?(中略)それがなければ、私が今述べた全てのことに不足が生じることになる」と説明した。