格付けフィッチ、ウクライナを「B」確定 予想は「安定的」に格下げ コロナ危機影響
ウクルインフォルム
格付け大手のフィッチレーティングス社は、ウクライナの外貨建て長期格付けを「B」に確定し、予想を「肯定的」から「安定的」に格下げした。
フィッチレーティングス社がウェブサイト上で発表した。
発表には、「フィッチレーティングス社は、長期外貨建て発行体デフォルト格付け(IDR)を、『肯定的』から『安定的』に見直し、IDRを『B』に確定した」と書かれている。
格下げの根拠としては、世界的危機によるマクロ経済・財務リスクの向上が、ウクライナ国内の2014〜15年の地政学・経済危機発生後の債務面の改善や発展展望の健全化を部分的に無効化していると指摘されている。
フィッチは、ウクライナ経済は2019年に3.2%成長したが、2020年には6.5%後退するとしており、原因としてCOVID-19の世界経済へのダメージ、抑制方策や通貨の弱体化が投資や民間消費に悪影響を及ぼすだろうと予想している。また、予想される民間部門の送金減少も消費にダメージを与えるだろうとも指摘されている。
一方で、現在の危機のウクライナへのダメージは、観光業への依存の低さ、比較的多様化されている製品輸出先、ウクライナが輸入国である点からの国際石油価格の減少によって部分的に緩和されるだろうとも書かれている。
フィッチは、「私たちは、(ウクライナ)経済は私たちの中期成長予想に従うと2021年には3.5%成長まで回復すると予想している。しかしながら、コロナウイルス感染爆発の規模と期間の見通し不透明さを考慮すると、この予想にとって決定的なリスクも存在する」と指摘した。