イッシンガー・ミュンヘン安全保障会議議長「ノルド・ストリーム2は政治プロジェクトだが、現段階で止めるのは不適切」

イッシンガー・ミュンヘン安全保障会議議長「ノルド・ストリーム2は政治プロジェクトだが、現段階で止めるのは不適切」

ウクルインフォルム
天然ガス・パイプライン「ノルド・ストリーム2」建設計画は、政治プロジェクト以外の何ものでもないが、しかし、現時点で止めるのは既に不適切である。

17日、ヴォルフガング・イッシンガー・ミュンヘン安全保障会議議長がベルリンにおいて記者団に対して発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

イッシンガー議長は、「10年議論をし、90%終了しているこのプロジェクトを、今やめてしまうことは、悪い考えだと思っている」と発言した。

同議長は、自らの立場につき、このプロジェクトを止めることは、意外な決定を採択せず、理想的かつ一貫していることで知られるドイツ外政のイメージを損なうものであると説明した。

その上で、同議長は、今後のエネルギー外交政策を欧州委員会のエネルギー分野の管轄にするというイニシアティブを、ドイツがEUに提案するのが良いと考えていると述べ、EUが全加盟国で採択する共通の外交政策を欲すのであれば、エネルギー外交政策も同様であるべきだと主張した。

その上で、同議長は、共通の対露外交政策からエネルギー問題だけ除外することがあってはならないと述べつつ、同時に、現在あるルールと基準では、ドイツ政府は、ドイツ企業が行っていることは欧州法が禁止することではないと言わざるを得ないと説明した。

加えて、イッシンガー議長は、ウクライナ問題との関係も指摘した。同議長は、「ノルド・ストリーム2」が迂回することになる、現在のガス輸送国家であるウクライナで近年起きている出来事は政治状況を劇的に変化させたとし、これにより、「ノルド・ストリーム2」を全くの商業的プロジェクトと呼ぶことはもはやできないと指摘し、「私たちは、『ノルド・ストリーム2』が高度に政治的プロジェクトであることを認めないわけにはいかないのである」と強調した。

なお、天然ガス・パイプライン「ノルド・ストリーム2」は、ロシアからドイツへ、ウクライナを迂回し、バルト海を通って建設されているものである。全長1200キロメートル以上であり、完成すると年間550億立方メートルのガスを送ることが可能となる。

このパイプラインの建設に関わっているのは、ロシアの「ガスプロム」社と、欧州の企業Engie、Uniper、OMV、Shell、Wintershallである。

ウクライナは、「ノルド・ストリーム2」の建設により自国の輸送国としてのステータスが失われる可能性があるとして、同建設に反対を表明している。その他、同建設に反対しているのは、アメリカ、ポーランド、バルト諸国。これらの国々は、「ノルド・ストリーム2」によりEUがロシアのガスへの依存することになると主張している。しかしながら、ドイツ政府は、このプロジェクトは経済的なものであり、政治的なものでないと反論し続けている。


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