IMFとウクライナ、2019年の政府課題を確認
8日にIMFが公開した新しい対ウクライナ・スタンドバイ・クレジット・プログラムとそれ以前の対ウクライナ拡大信用供与(EFF)合意分析報告書に記載されている。
課題の中には、金融・銀行分野の法律の複数採択、汚職対策努力の継続、民営化分野の改革推進が含まれる。
具体的には、IMFは、2019年3月末までに最高会議(国会)にて、国家財政サービス市場規制委員会から監査権限を剥奪し、同権限を中央銀行と国家有価証券・基金市場委員会に分散させる法案(第2413a)の採択を求めている。
その他、IMFは世界銀行とともに、2019年3月末までに、ウクライナの銀行・銀行活動法の法的空白を埋めるための改正内容に合意することを約束している他、2019年前半中には、デリバティブ市場と金融市場、消費者権利保護、送金に関する法をはじめとする、金融分野の複数法の採択を求めている。
個別に注意の向けられているのが、汚職の撲滅に向けた努力となっている。IMFは、報告書にて、「新設の汚職対策機関である、NABU(国家汚職対策局)、SAP(特別汚職対策検察)、高等反汚職裁判所が、独立正と公正性を維持することが非常に重要である」と強調している。
とりわけ、IMFは、反汚職裁判所に関して、同裁判所の客観性と透明なプロセスを保障すべく、関連法にのっとり、2019年4月末までに「理想的な評判と然るべき専門的能力を備えた」35名の裁判官が任命されること、そして、2019年6月末までに同裁判所が稼動することを期待している。
NABUに関しては、IMFは、外国での経験を有す権威ある専門家による外部監査が終わること、また2019年6月末までに、最高会議がNABU権限の強化に関する法律を採択することを期待している。
IMFは、その他、民営化プロセスにおける進展、国営企業改革、銀行分野のガバナンス強化を必要な改革として指摘した。
これまでの報道にあるように、12月18日、IMF理事会は、新しい対ウクライナ・スタンドバイ・クレジット・プログラムの詳細を発表した。同発表によれば、IMF理事会は、総額39億米ドルの対ウクライナの・スタンドバイ・クレジット・プログラムを確定している。