ヘグセス米国防長官、ウクライナ防衛支援会合でトランプ氏の露宇戦争終結アプローチを説明
ヘグセス国防長官が同日ブリュッセルで開催されたウクライナ防衛問題コンタクトグループ会合(ラムシュタイン会合)の冒頭で発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ヘグセス氏は、「これは私の最初のウクライナ防衛問題コンタクトグループ会合であり、私にとって今日あなた方皆と会えることは大きな光栄であり、私は、トランプ大統領のウクライナにおける戦争へのアプローチを共有する機会につき感謝している。戦争が約3年続いているのであり、私たちが極めて重要な局面にいる中、私たちのメッセージは明確だ。流血を止め、この戦争は終わらせるべき、というものだ」と発言した。
また同氏は、トランプ大統領は米国民と多くの国の首脳に対して「戦闘の停止と永続的な平和が最優先課題であると明言している」とし、「彼はロシアとウクライナを交渉の席に着かせて、戦争を外交的手段で終結させる意向を持っている。そして、米国防総省はその目的の達成を支援する」と伝えた。
その上で同氏は、ロシアの対ウクライナ戦争の終結と強固な平和の確立は、「同盟国の力と戦場の現実的な評価の統合によってのみ」可能となると指摘した。
同時に同氏は、ウクライナの永続的な平和はロシアの再侵略を不可能とするための信頼できる安全の保証を含まねばならないとし、それは「新しいミンスク(編集注:ミンスク合意)」やウクライナのNATO加盟であってはならないと主張した。そして同氏は、安全の保証は、ウクライナへの平和維持軍としての「欧州と非欧州の軍」の派遣があり得るとしつつ、他方で、それはNATOのミッションではなく、米国の参加もないものだと指摘した。
その際同氏は、「米国は、ウクライナのNATO加盟が交渉による情勢の解決の現実的な結果だとは思っていない。代わりに、どのような安全の保証も強力な欧州・非欧州軍によって裏付けられるべきだ。もしそれらの軍がどのような時であれウクライナに平和維持軍として展開されるのであれば、それはNATOのミッションとしての展開ではなく、(編集注:NATOの)第5条も適用されてはならない。また、コンタクト・ラインに沿って信頼できる国際監視が確保されねばならない。そして、はっきりしておきたいが、米国軍はどのような安全の保証の枠組みであっても、ウクライナには展開されない」と発言した。
同時に同氏は、「効果的な外交の促進と、ロシアの戦争資金源であるエネルギー価格の低減のために」トランプ大統領は、米国のエネルギー生産の拡大を推進し、他の国にも同様の措置を行うことを奨励していると伝えた。
その際同氏は、「エネルギー価格の低下と効果的なエネルギー制裁の組み合わせがロシアを交渉の席に着かせることに役立つ」と主張した。
さらに同氏は、欧州の安全の防衛はNATOの欧州加盟国の優先課題であるべきだとし、それらの国こそが将来のウクライナへの殺傷・非殺傷装備品支援の大部分を負担すべきだと発言した。
そして同氏は、「その点で欧州はウクライナの将来の殺傷・非殺傷支援の大部分を担うべきだ。このコンタクトグループプの参加国は、時代の挑戦に応じて行動すべきである。それは、より多くの弾薬と装備の供給、自らの具体的な優位性の活用、防衛産業基盤の拡大、そして重要なのは、欧州に迫る脅威についての自国民との率直な対話だ」と強調した。
その他同氏は、ウクライナの2014年時点の国境まで戻ることは「非現実的な目的」だとし、「その幻想的目的を追い求めることは、戦争を長引かせ、さらなる苦しみをもたらすだけだ」と訴えた。
同氏は、「ウクライナのための長期的な平和は、戦争が再び始まらないという信頼できる安全の保証が必要だ。それは『ミンスク3』であってはならない」と発言した。
— Secretary of Defense Pete Hegseth (@SecDef) February 12, 2025