ジョンソン英元首相、将来の和平合意で英国軍をウクライナに派遣することを提案
ジョンソン氏が英テレグラフのポッドキャスト番組で発言した。
ジョンソン氏は、「私は、私たちがロシア人と対抗するために戦闘部隊を派遣すべきとは思わない。しかし、決定の一部、最終的決定の一部として、国境をモニターし、ウクライナ人を助けていく多国籍の欧州平和維持戦力をあなた方が保有したがるようになるとは思っている。私は、英国人抜きでそのような欧州の作戦が実現し得るとは想像できない」と発言した。
また同氏は、ロシアがただ戦力を再編して、数年後に再び侵攻するということができないようにすべく、西側諸国は、和平合意の一環で、どのような安全の保証がウクライナに提案されるかを明確にしなければならないとの見方を示した。
その際同氏は、選択肢の1つは、ウクライナのNATOへの加盟となり得るとしつつ、しかし、NATO加盟国の多くが、ウクライナの加盟申請の検討を早めることに「神経質」になっていると指摘した。
他方で、同氏は、NATO加盟国軍が国連平和維持軍の一環でウクライナのあり得る将来の停戦ラインの安全を保障するならば、それはNATOの直接介入なく、第5条に類似する防護を保障することになると指摘した。
同記事には、NATOの軍がたとえ国連軍の中であっても、仮に攻撃された場合は、第5条の発動を引き起こす可能性はあると書かれている。
ジョンソン氏は、「私たちは、どのような安全の保証が適切なのかを明確にしなければならない。本当に機能している唯一のものは、NATOの第5条による保証であり、欧州の平和を80年間にわたって維持しているものだ。だからこそ、バルト諸国はNATO加盟国なのだ。だからこそ、ポーランド人、ハンガリー人、チェコ人、フィンランド人、スウェーデン人は今NATOの中にいるのだ」と発言した。
その際同氏は、これらの国は、スウェーデンを除き、全て「ロシアの侵攻に関する直接的なトラウマ的記憶があり、今、それはウクライナにもある」と指摘した。
そして同氏は、「この殺戮、忌まわしい残虐性を長い間、3年間経た上で、唯一の長期的な決定は、その保護を(ウクライナに)与えることなのだ」と発言した。
同氏は、英国は、ロシアと米国と共に1994年にブダペスト覚書に署名したのであり、ウクライナに対して「道義的責任」があるとの見方を示した。同氏によれば、それはロシアとの「協力」に相当するのであり、だからこそ英国はウクライナを今助ける義務があるという。
その際同氏は、「私たちはロシア人と1994年に協力し、ウクライナ人から、現在起きている悪夢から彼らを守ったかもしれない核兵器を奪ったのだ。もし彼らが核の抑止を維持していたら、彼らはプーチンに今殺されていないかもしれない。私たちはその一部だったのだ。私たちは『覚書』に署名したのだ。私たちは、彼らの苦しい状況に道義的責任がある」と強調した。
写真:大統領府