ロシアと中国は新型コロナ危機を使い影響力拡大=識者

ロシアと中国は新型コロナ危機を使い影響力拡大=識者

ウクルインフォルム
ウクライナの専門家たちは、ロシアと中国が新型コロナウイルス感染(COVID-19)の世界的拡大(パンデミック)を自らの地政学的目的達成のために利用していると考えている。

5日、ウクルインフォルムのユーチューブ・チャンネルにてオンライン・ラウンドテーブル「ウクライナと世界とパンデミック下の情報面の挑戦」が開催された

国際政治研究所(IWP)のイェウヘン・マフダ所長は、「パンデミックは、ロシアと中国にとって、地政学的目的達成のための豊かな土壌を作り出した。これは状況的連合であり、規模と潜在力の大きなこの二国による意識的な陰謀ではない。また、両政権は、定期的な民主的選挙の結果に左右されない。そのため、両国は、危機を問題としてだけではなく、自らの利益にとっての機会として利用しようとしている」と強調した。

マフダ氏は、ロシアと中国が自らの地政学的目的達成のために、世界の様々な場所の防疫方策に関する偽情報の拡散を活発に行なっていると指摘した。

国際ロシア・プロパガンダ対策センターのユーリー・コチェヴェンコ所長は、「ロシアにとってのパンデミックは、帝国型の存在を続けつつ、世界第二の超大国を目指すべく、世界における自らの影響力を著しく強化して、国際的メリットと局地的メリットを獲得するためのチャンスである」と指摘した。

コチェヴェンコ氏は、ロシアがパンデミック状況下で欧州の複数の国に対して支援を行なっていたのは、欧州連合(EU)の不能を証明しつつ、最終的に制裁が解除されることを目指したものであったと発言した。
 

タラス・シェウチェンコ記念キーウ(キエフ)国立大学のマカル・タラン教授は、「中国は、自らの国際イメージを改善するために、非常に上手に状況を利用している。例えば、最近彼らは国連保健機関(WHO)への拠出増を発表した。ロシアも中国も、あらゆる支援を非常に根源的に実行している」と述べた。

タラン氏は、ウクライナ社会と諸機構はその形成が不完全なために、あらゆるプロパガンダに対して脆弱であり、現在のパンデミックはその成熟度が試されていると指摘した。

国際防衛安全保障センターのドミトロー・テペリク専務理事は、「中国の影響は、ロシア側からの危険を見えなくしてしまう可能性がある。ロシアも中国も、互いを排除することはない。また、今回の危機における主要なメッセージの一つは、ロシアの外交上野心の観点から見て、パンデミックが欧州の地政学的状況は変えなかったということだ。ロシアは、自らの軍事予算を減らしていないし、欧州方面での軍事演習も縮小していない」と発言した。

テペリク氏は、新型コロナウイルス危機は欧州安全保障の観点から地政学的状況を激化する可能性があるとし、その理由として、パンデミック下では情報操作を行うための追加的機会が開かれているからだと指摘した。


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