マレーシア機撃墜裁判、内容面の審理開始 提出文書は6万5000ページ
ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
法廷には、裁判官、検察、遺族弁護士、オレグ・プラートフ被告の弁護士が出廷。報道関係者も集まった。なお、4名の被告人は一人も出廷していない。
ヘンドリック・ステインハユス裁判長は、起訴された事件の文書は約6万5000ページに及び、また何時間もの動画資料もあると伝えた上で、裁判で審理対象となるのは主要部分のみとなると発言した。
同氏は、検察側と被告側はそれぞれ本件の具体的部分について注意を促すことが可能だと述べた。
また、裁判では、MH17撃墜に用いられた兵器について、それが地対空ミサイルシステム「ブーク」により撃墜されたのか否か、ミサイル発射地点はペルヴォマイシケ近くの平地だったのか、4名の被告人の役割は何だったのか、について審理を行うと発表された。
マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。
2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイルシステム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させた。
2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。
2019年6月、マレーシア航空機MH17撃墜事件の捜査を行う国際共同捜査チーム(JIT)は、同撃墜に関与した容疑者4名を公表している。
MH17事件の公判は2020年3月9日にオランダにて始まっている。