中国籍工作員に10年の禁固刑 ウクライナのミサイル情報窃取試みで有罪判決
ウクルインフォルム
保安庁(SBU)は、同庁の捜査をもとに、中国籍のシュ・ユアンゼ(編集注:Шу Юаньцзє、漢字不明)氏にスパイ行為による有罪判決が下されたと発表した。同人物は、ウクライナ国内にて10年間の禁固刑を受ける。
SBU広報室が伝えた。
発表には、「捜査により、技術博士号を有すこの工作員は、公式な中国・ウクライナ間科学・技術協力を隠れみのにして、諜報活動を行なっていたことが立証された。防諜班は、この犯罪者が中国軍事科学アカデミーと、ロシア連邦化学アカデミー物理化学研究所での学習を経て、特別な教育を修了したことを判明させた。この犯罪者は、兵器製造に特化した軍事作業企業にも勤務していたことがある他、西安市の現代科学研究所にも務めていたことがある。この人物は、活動成果により、中国国防部から1級褒賞『軍の科学技術進展』を授与されている」と書かれている。
SBUは、この工作員はウクライナへの出張の際に、ウクライナの研究者グループから機密情報を得ようとしていたとし、金銭による褒賞を通じて、国家に属するミサイル・宇宙分野の機密開発情報を取得しようと画策していたことを伝えた。
SBU職員は、機密情報獲得の試みが行なわれた現場にて同工作員を工作したという。
その後、裁判所がこの人物に対して、ウクライナ刑法典第114条1項(スパイ行為)に従い、有罪判決を下したとのこと。
SBUは、ウクライナの科学製造機関はこれまでも外国の特殊機関による違法行為の対象となってきたことを指摘し、例として、2011年7月に、北朝鮮の貿易経済ミッションの職員2名がミサイル製造分野の機密情報を獲得しようとし、SBU防諜班職員が拘束したことを喚起した。これらの2名は、スパイ罪により禁固8年の有罪判決を受けている。