マレーシア航空機MH17撃墜事件:国際捜査チーム、武装集団と露政権高官の会話記録を公開

マレーシア航空機MH17撃墜事件:国際捜査チーム、武装集団と露政権高官の会話記録を公開

ウクルインフォルム
2014年のマレーシア航空機MH17撃墜事件を捜査する国際共同捜査チーム(JIT)は、武装集団「ドネツィク人民共和国(DPR)」とロシア政権高官の会話記録を複数公開し、これら会話を行っていた人物を特定できる、あるいは関連情報を提供できる人物への協力を求めた。

14日、JITのウェブサイトに呼びかけ動画と関連テキストが掲載された。ウクルインフォルムのハーグ特派員が伝えた。

呼びかけ動画にて、オランダ警察のエンドリー・クラーグ中央刑事捜査課課長は、「JITは、2014年7月17日の航空機MH17撃墜刑事捜査に関する証言者を求めている。JITは、ドネツィクの武装集団を誰がコントロールし、誰がボタンを押す命令を出したのかを知りたい。今日、私たちは、記録した会話を追加的に一部公開する」と発言した。

JITの情報によれば、2014年夏に「DPR」の構成員であった複数の証言者が、JITとの対話の際に、武装集団の重要人物たちはロシア連邦から指示を受けていたと発言したとのこと。

また、その事実は、電話会話記録からも確認できると指摘されている。例えば、当時「DPR首相」を自称していたアレクサンドル・ボロダイ氏(ロシア国民)の加わる会話音声記録では、同氏はロシアの命令を実行していることを認めている。同氏は、記録において「私は、命令を実行しており、ある国、ロシア連邦の国益を防衛しているのだ。そう、それが全てだ」と述べている。

別の2014年7月初頭の会話記録では、「DPR」武装集団構成員の一人が、地元の指揮官に対して、「ショイグからの権限を持った人々が来る」と述べている。「ショイグ」とは、ロシア連邦国防省のセルゲイ・ショイグ大臣であると喚起されている。

これらの会話記録は、JITの公式ウェブサイトにて公開されている。

また、武装集団の元構成員の数名がJITに対して、「DPR」通常運営に、ロシア連邦保安庁(FSB)とロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)が関与していると述べている。証言者の一人は、「DPR」幹部はFSBとGRU内の自身の連絡相手と協議するために、定期的にモスクワを訪れていたと述べたとのこと。

これもまた、通信傍受された電話通話記録にて確認されている。2014年7月18日の通称「モンゴル」と呼ばれる戦闘員が、別の戦闘員通称「シェリフ」に電話した際、以下のような会話が行われている。

「そして、おれたちは…直接…もう一週間…全部…モスクワだ、それでおれたちは指令を受けるのだ(以下略)」

「おれたちもモスクワから指令を受けているよ。同じだ」

「でも、お前たちはFSBだろ?そうだろう?」

「そうだ」

「おれたちはGRUだ。ほら、そこが違いだ」

「それは良く知っているよ」

JITはまた、「DPR」がコミュニケーションに用いていた特別通信機器についての詳細を公開した。特に、電話番号が連番となっており、JITは、露FSBから与えられたであろうと指摘する。JITは、この番号にて、毎日「DPR」の運営面、財政面、軍事面の問題の解決に関するやり取りが行われていた、と強調している。

オーストラリア連邦警察のデヴィッド・ネルソン上級捜査官は、「電話通信ラインの他に、機密通信ラインが用いられていた。おそらく、その一部がロシア連邦から提供されたのであろう。更に、それらは、戦闘員とのコンタクト確立のために『上層部』に使用されていた。あなた方は、私たちのウェブサイトにて、使用されていたこれらの番号の一部を見ることができる。私たちは、(傍受した)会話記録も公開しており、それら会話では、運営、財政、軍事の問題についての話が行われている」と発言した。

JITサイトからは、約20の通信傍受音声記録へアクセスができるようになっている

その上で、JITは、MH17撃墜に繋がったような命令を、誰が出していたのか、についての情報を集めているところだと説明しており、あらゆる情報を提供して欲しいと呼びかけている。

JITは、「DPR」の戦闘員が、軍事的サポートについてロシア政権代表者と密接な繋がりを持っていたと指摘しつつ、同時に、証言情報やその他の情報の分析からは、ロシア連邦の影響は軍事的サポートに限らなかったことを示していると強調した。

なお、JITには、オランダ、オーストラリア、ウクライナ、ベルギー、マレーシアの代表者が参加している。

マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。

2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイル・システム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させていた。

同時に、民間調査グループ「ベリングキャット」は、MH17を撃墜した「ブーク」がロシア軍第53対空旅団発のものであることを判明させていた。ベリングキャットは、ソーシャル・メディアとオープンソース情報の独自の分析を通じて、MH17撃墜に関与した20名のロシア軍人を特定させた報告書を発表した。これら軍人の名前が写真付きで示されているこの報告書は、オランダの検察に渡されている。

2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。

本年6月19日、JITはさらに、マレーシア航空機MH17撃墜に関与した容疑者を公式に発表した。

MH17撃墜案件の裁判は、2020年3月9日に始まる。


Let’s get started read our news at facebook messenger > > > Click here for subscribe

インターネット上の全ての掲載物の引用・使用は検索システムに対してオープンである一方、ukrinform.jpへのハイパーリンクは第一段落より上部にすることを義務付けています。加えて、外国マスメディアの報道の翻訳を引用する場合は、ukrinform.jp及びキャリー元マスメディアのウェブサイトにハイパーリンクを貼り付ける場合のみ可能です。オフライン・メディア、モバイル・アプリ、スマートTVでの引用・使用は、ウクルインフォルムからの書面上の許可を受け取った場合のみ認められます。「宣伝」と「PR」の印のついた記事、また、「発表」のページにある記事は、広告権にもとづいて発表されたものであり、その内容に関する責任は、宣伝主体が負っています。

© 2015-2020 Ukrinform. All rights reserved.

Website design Studio Laconica

詳細検索詳細検索を隠す
期間別:
-